新日本プロレス19日の後楽園大会で、海野翔太(28)、上村優也(31)組が石井智宏(50)、タイチ(45)組とのIWGPタッグ王座(現王者はYuto―Ice&OSKAR)次期挑戦者決定戦を制した。2月11日大阪大会での王座戦が決まった海野だが、挑戦表明した5日大田区大会ではブーイングを受ける屈辱も味わった。かつては新時代のエースとも呼ばれた男が〝最後方〟からの巻き返しにかける思いを明かす。
前王者組の猛攻に大苦戦を強いられた海野だったが、上村のドラゴンスープレックスと同時に石井へのラリアートをさく裂させ形勢逆転に成功。最後はSecond Chapterで30分超の激闘に終止符を打った。
棚橋弘至が引退した翌日の大田区大会のメインで、ノックアウト・ブラザーズ(K.O.B)がザック・セイバーJr.、大岩陵平組との大激闘を制してV2に成功。直後のリング上で、すでにK.O.Bに2回敗れている海野と上村が挑戦表明するとブーイングが起きた。
メインを務めた昨年の東京ドーム大会の反応を思い起こさせる光景だったが、海野の信念は揺るがない。「皆さんが余韻に浸ってるところに空気を読まずに出て行ったらもらって当たり前で、ごめんなさいとは思ってるんですけど…。ブーイングが嫌だという気持ちはとっくに消えているので、それ自体には特に何も思わないです。大岩に刺激を受けて、今動かないと後悔するなと思って、気づいたらリングに向かってましたね」と説明した。
2022年11月の凱旋帰国から本隊の主力として活躍し、新時代のエースを名乗った。しかしIWGPヘビー級王座は辻陽太、IWGPタッグ王座はK.O.Bが保持しており、後輩に先を越された事実は否めない。「現状は受け入れてますし、何なら一番後ろから追いかけてる状態だって自覚してます。でもこのままでいいわけないじゃないですか。自分自身のことを信じて、諦めずに追いかけていくだけですよ」と言い切った。
憧れ、追いかけ続けてきた棚橋が引退した1・4ドームでは、人目をはばからず号泣する姿が目撃された。「(未来に)つなぐって意味では、僕もメインに立ちたかった気持ちはありますし。ずっと棚橋さんの近くで生きてきた人間としての寂しさと、悔しさと、自分自身がふがいなさすぎて『しっかりしろよ』って気持ちと。すべてが重なりましたね。だからこそ1・5の行動につながったんです」と振り返る。当日には棚橋から授かった「ブーイングというのは、一生懸命やってるからもらうものなんだよ」という言葉を信じ、自分の道を貫くことを決めた。
「オカダ(カズチカ)さんも内藤(哲也)さんも棚橋さんもいない新日本プロレスで、辻が先頭に立っていて新世代もクソもないですし。新世代って言葉はもう捨ててます。僕には後がないので、食らいついていくしかない」。臥薪嘗胆の末に、海野の逆襲が始まる。













