備え倒して巻き返す1年に――。広島・秋山翔吾外野手(37)が新春インタビューに応じた。広島に入団し5シーズン目。昨季は64試合の出場にとどまり、移籍後、最少の157打席で打率2割6分2厘。不動のモノにしていた「1番・中堅」のポジションを手放す不本意な1年となった。定位置再獲得へ、オフは綿密な計算を立てた調整で世代交代の波にあらがう。

 ――昨年は開幕3戦目で右足首を故障。1か月のブランクを経て、一軍復帰後も調子をつかめず、不完全燃焼のシーズンだった

 秋山 まず、不本意な結果はケガすべてではないということ。5月に一軍に戻ってから、結果を出せなかった。それはもう自分の責任で、レギュラーを奪い返す力がなかったということですね。

 ――プロ16年目。日米通算2000安打に残り168本

 秋山 日々、それを考えて打席に入ることはありません。もちろん、メディアから聞かれれば『打ちたい』と答えますよ。ただ本来、そういった個人成績は二の次であるべき。チームに絶対に必要かと厳密に言えば、そうではない。いつか現役を辞めるとき、結果的に届かなかったのであれば〝それまでの選手〟。まず勝つことが第一で、自分の安打が勝利をかなえるうえで、どれだけ貢献できたか。〝あと何本〟よりも、そのことを僕は大事にしています。

 ――オフの契約更改では改めて、レギュラー再奪取を明言した

 秋山 来年、どんな役割かは分かりませんが選手としては毎年、スタメンでずっと出続けたいと思って、準備しているので。代打がイヤとか、自分にあわないということではないです。スタメンも代打も、どちらにも難しさがあると考えているので。

 ――選手としてもう一度、技術を磨きなおして臨もうと考える部分は

 秋山 守備です。センターはもちろん、今年は右翼、左翼の両翼も重点的に。昨年は守備でかなりチームに迷惑をかけた反省があります。やっぱり守れない限りは、レギュラーになれない。試合に出続けられないので。

 ――レギュラー争いはキャンプから。巻き返しへ、どんなビジョンを描いているのか

 秋山 昨年9月に抹消となり、25年シーズンが終わった瞬間から翌年の2月1日にむけ、逆算してオフを過ごしています。昨年10月以降、練習は一任されていましたが、秋季練習から休むタイミングもチームにあわせて。体力作りはもちろん、バットを振ることだけは、ずっと続けています。

秋山翔吾 色紙に2026年の決意つづる
秋山翔吾 色紙に2026年の決意つづる

 ――キャンプで守備重視の発想を持ちながら、10月から打撃練習を休まない意図は

 秋山 キャンプで守備を重点的にとなると、打撃が必然、例年より少なくなりますよね? 本数や量的なものが。そうならないようにという面での備えです。2月に少し量が減っても、スイングの水準が落ちないように。あとは環境的な理由。オフの広島では屋内施設が中心で、ノックはゴロ中心。フライをあげて打球を追う練習には限界がある。ならば、球場でできる春のキャンプでたくさん守備に割くために、オフの練習で〝貯金〟が見込める分野は先に多めに数をこなしておく。2月の1か月で守備力をもうワンランク必ず上げるために、それぐらいトータルで綿密に逆算して臨むつもりです。

 ――なるほど…

 秋山 キャンプが一軍か、二軍スタートかはまだ分かりませんが、どちらに行っても初日から、コーチに『特守、お願いします』と言えるぐらいにコンディションを仕上げて。チーム最年長で『そこまで焦る必要は?』と思われるかもしれませんが、若い選手と同様、ポジションを奪いにいく立場。勝負をかけていかなければならない立場であることには、変わりはないので

 ――あえて前のめりに備えて取り戻したいものは

 秋山 もちろん、毎日、試合に出続けることです。別の形で表現するのならば、昨年は感じることができなかった疾走感。打つ、守る、走る。もっと言えば、ファンの方々の声援をもっと浴びたいという欲求も含めて。これはとにかく試合に出ることでしか感じることのできない部分なので。

 ――改めて26年の抱負を

 秋山 (成績を落とした)昨年があったから、今年はその教訓を生かす1年にしないといけない。25年と今年、合わせて最後に『良かったな』と思える1年に。そのためにとにかく今は、もう一度、レギュラーを取りに行く。そこにむけてただ、ひたすらに備えて行こうと思っています。