来季は、これまで以上にピリッとした空気が漂うかもしれない。広島・新井貴浩監督(48)は就任4年目となる来年へ向け、ある〝テーマ〟に強い意識を向けている。それが「時間」だ。

 理由は大きく2つある。ひとつは、若手育成における「期限」としての時間だ。今季は9月20日に2年連続Bクラスが確定すると、会沢翼捕手(37)、秋山翔吾外野手(37)、菊池涼介内野手(35)らベテランを抹消。登録枠を空けて若手に実戦の場を与え、翌年以降を見据えたチーム作りに舵(かじ)を切った。

 ただし、若手起用を〝無制限〟とは考えていない。新井監督は当時から「これがいつまでも続くとは思ってもらっては困る。チャンスは無限ではなく、有限だから」と語り、若鯉たちに警鐘を鳴らしてきた。

 その姿勢は、ドラフト戦略にも色濃く表れている。今秋のドラフトでは支配下、育成を含む9人のうち8人を大学生、社会人から指名。即戦力を強く意識した構成となった。15日の新入団会見では、右ヒジ手術を受けたドラフト7位・高木快大投手(21=中京大)と高校生1人を除き、育成選手を含む7人を来季の一軍キャンプに抜てきする方針を早々に明言した。

 来年2月の春季キャンプまでに、新人を含めた選手たちは一軍か二軍に振り分けられる。一軍の枠には当然、限りがある。今秋キャンプに参加した若手の中からも、オフの間に〝アピールタイム終了〟となる選手が出てくるのは避けられない状況だ。

 もうひとつの「時間」は、文字通り「時計」を意味するものだ。オフから秋季練習、キャンプへと若手の強化を進める中で、その対象である若鯉たちの寝坊など複数の遅刻事案が発生。社会人として、プロ野球選手として守るべき最低限のルールを逸脱する行為だった。秋季キャンプ中に遅刻が発覚した際には、温厚なことで知られる新井監督もさすがに激怒。該当選手を翌日の練習から問答無用で外すなど、厳しい姿勢を貫いた。

 2年連続Bクラスという結果もあり、チーム内外からは「緩んでいる」との声も聞こえてくる。だからこそ新井監督は〝時間〟をチーム再建の基軸に据え、引き締めと底上げの両立に目を光らせていく構えだ。