来季こそ真のエースへ――。広島・森下暢仁投手(28)が10日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、2000万円増の推定2億円でサインした。

 今季はプロ初の開幕投手を任されながら勝ち運に恵まれず、6勝14敗と大きく負け越し。更改交渉は80分に及び、かねて志望していたメジャー挑戦についても「別に成績がいいわけでもない。中途半端に米国に行ける話ではないと思う」といったん封印した。8月下旬以降は右肩痛で離脱し、そのままシーズンを終えたこともあり「本当に迷惑をかけた」と神妙な面持ちで来季の巻き返しを誓った。

 今季は22試合の先発のうち16戦が「金曜日」のカード初戦。防御率2・48と数字自体は決して悪くなかったものの、必然的に相手のエース格との投げ合いが続き、好投しながら黒星を喫する展開が少なくなかった。

 とりわけ象徴的だったのが、今季6戦6敗に終わった対中日戦だ。そのうち3試合では、クオリティースタート(6回以上、自責3以内)を記録しながらも打線は沈黙。森下登板時の対ドラゴンズ戦の総得点はわずか7点にとどまっていた。

 8月には中日のエース・高橋宏斗と計3度投げ合い、援護は3試合計25イニングでたったの2得点。森下は「チームを勝たせないといけない時に貯金を作れず、借金ばかり作ってしまった。本当にふがいない」と自らを責めたが、チーム関係者も「あの時は、さすがに気の毒だった」と語るほどの〝孤軍奮闘〟ぶりだった。

 それでも来季に向けて、森下の視線は前を向く。「もちろんそのつもりでいますし、チームに勢いをつけられる存在にならないといけない」と語り、2年連続となる開幕投手にも意欲を示した。キャンプから順調に調整を重ね、来年3月27日の開幕戦で再びその大役を任されれば舞台は本拠地・マツダでの中日戦。今季6戦全敗を喫した因縁の相手との再戦は、森下にとって雪辱と進化を示す最初の舞台となる。