再ブレークへの鍵は…。巨人の先発左腕、井上温大投手(24)が悔しいシーズンを終え、黙々と自主トレに励んでいる。

 昨季はキャリアハイとなる8勝を挙げたが、今季は20試合の登板で4勝8敗、防御率3・70の成績。シーズン終盤には左ヒジ痛を発症するなどチームにとっても大きな誤算となった。本人は「うまくいかないことが多かったシーズン」と振り返っていたが、周囲では伸び悩んだ要因が技術と思考の両面にあったと考えられている。

 チームスタッフの一人は「右打者にえぐるような真っすぐを投げきれていなかった。温大の持ち味がうまく引き出せず、自信につながらなかった可能性がある」と分析。打者をのけぞらせるような内角攻めが鳴りを潜めたことが、投球の幅を狭めてしまったという。

 また、素直すぎる性格も裏目に出てしまった可能性もあるようだ。井上は「シーズン中はコーチに言われたことをそのままやっている」と告白。確かに、試合前の練習中に内海投手コーチが困ったような表情を浮かべたこともあった。

 もちろん、経験豊富な指導者の言葉に耳を傾けることは間違いではない。上達への近道となることがほとんどだが、指摘されたのは程度の問題だ。前出のスタッフは「芯の強さが人一倍なのは温大のいいところだが、柔軟に考えながらアドバイスを自分流に落とし込むのも今後重要になる」と語った。

 球界では多くの指導者から受けた助言を取捨選択できず、〝情報過多〟に陥り自分を見失ってしまうケースも少なくない。練習の段階から貴重なアドバイスを自分のものにする〝アレンジ力〟が求められそうだ。