F1を統括する国際自動車連盟(FIA)が、来季からスチュワード(裁定委員)の権限拡大となる規則改訂を承認して物議を醸している。

 英メディア「モーターサイクルスポーツ」は「2026年からF1はスポーツガバナンスの新たな時代を迎える。FIAは、国際スポーツ競技規則(ISC)の改訂を承認した。この改訂により、レーススチュワードの権限が拡大され、インシデントや紛争に関する意思決定をより迅速かつ効果的に行うことが目的だ」と報じた。

 同メディアは今回の規則改正が「スチュワードの権限拡大」と繰り返し強調。「来年以降、決定時点では入手できなかった新たな情報が入手できた場合、審査委員会自身が審査聴聞会を開始できるようになる」と指摘。ISCの新たな条文には「F1世界選手権、F2選手権、またF3選手権では、スチュワードは、当初の決定の時点では把握できなかった新たな、重要な、関連性のある要素を発見した場合、自主的に自らの決定を見直すこともできる」と記された。

 また「もう一つの革新は、イベント自体とは別に独立した委員会を設置することだ。これまでは、デリケートな決定はレース週末に役員が集まるまで待たなければならなかった。26年からは、該当するFIA選手権の経験豊富なメンバー5名以上で構成されるオフイベント委員会を招集することが可能になる。審理は主にビデオ会議で行われるが、事件の複雑さにより必要とされ、当事者が費用を負担することに合意した場合は、対面での審理も可能だ。このシステムにより、シーズン中の休み期間中でも緊急の問題に対処できるようになり、判決の継続性と迅速性が向上する」と説明する。

 これまでスチュワードによる判断を巡って幾度となく議論を呼んでおり、特に今季はレッドブルの角田裕毅が〝不可解裁定〟で不利になるケースも目立った。そうした状況の改善につながればいいが、一方で今回の決定が早くも波紋を呼んでいる。

 英メディア「モーターサイクルスポーツ」は「スチュワードのこの強化された役割の行方に注目が集まるだろう。彼らはこの状況に応え、より公平な競争環境を育むことができるのか。それとも、この新たな権限がさらなる論争を巻き起こすことになるのか」と競技環境を改善する可能性もあれば、逆に混乱をきたす懸念もあると指摘した。

 不可解裁定が減る突破口となればいいが…。