ビッグマネーのみで栄冠はつかめない。ドジャースが1日(日本時間3日)にブルージェイズとのワールドシリーズを制し世界一連覇を果たした瞬間、SNS上では一部から「4億ドルの金満球団」「カネで勝利を買った」などの皮肉が飛び交い、サラリーキャップ制度の強化を訴える声も強まっている状況だ。しかしながら米紙「ニューヨーク・ポスト」の敏腕記者ジョン・ヘイマン氏は「実際のところドジャースは〝大金の有効活用〟が群を抜いている」と論じ、反響を呼んでいる。

 ヘイマン氏は自身のXで「お金だけでは勝てない。ドジャースは正しいスターを選び、ドラフトやスカウトでも他球団を凌駕している」と投稿。単なる資金力ではなく、戦略性と構築力が栄光を導いたと指摘した。

 例えばドジャースは、大谷翔平投手(31)、ムーキー・ベッツ内野手(33)、フレディ・フリーマン内野手(36)らに巨額を投じたが、いずれも「時期と価値」を見極めた契約だった。加えて、ドラフトでの下位指名から育ったウィル・スミス捕手(30)やコディ・ベリンジャー外野手(30=現ヤンキース)、そして晩成型のジャスティン・ターナー内野手(40=現カブス)らがドジャースの育成プログラムを経て今や誰もが認めるMLBスターに成長している。これは確かに高額補強と育成力の「共存モデル」と言える。

 また、ドジャース球団として「人間味あふれるマネジメント」でも知られる。家族の事情でワールドシリーズを欠場したリリーフ左腕のアレックス・ベシア投手(29)に復帰を急がせず、チーム全体で背番号「51」を帽子に記して励ました。低迷していたミゲル・ロハス内野手(36)も信頼を失わず起用を続けたことで結果として、第7戦で同点弾を放つ「劇的な恩返し」を呼び起こした。

 ヘイマン氏は「大谷翔平と山本由伸がいなければ、この連覇は不可能だった」とも強調。だがその背景には〝スターを生かす環境〟を整える球団文化がある。巨額の投資を正しく機能させる組織力こそ、ドジャースが「野球を支配する知的集団」と呼ばれるゆえんだろう。