「2025 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファイナルステージ第3戦(17日、みずほペイペイ)は、リーグ2位の日本ハムが王者・ソフトバンクに6―0で快勝。通算成績1勝3敗で崖っぷちに変わりはないが、今後の鍵を握るのは誰か。球団OBで野球評論家・柏原純一氏は、3戦2発で絶好調のレイエスの前後を打つ打者を反攻のキーマンに指名。中でも新庄剛志監督(53)に4番に抜てきされ、見事に復調した郡司裕也捕手(27)が反攻のキーマンとなりそうだ。

【柏原純一「烈眼」】まだ1勝とはいえ、ファイナルステージの潮目が変わるかもしれない。新庄監督のタクトが土俵際でハマッた。第2戦まで8打数無安打だった郡司を、あえて4番でスタメン起用した采配だ。

 相手の先発だった上沢に対し、相性が特別に良かったわけでもない。彼の復調がなければ、大逆転は望めないという無言のゲキだったのだろう。結果的に最高の形となった。初回一死一、三塁で迎えた第1打席。上沢のフォークを右翼に運び先制犠飛とした。これがチームにとっても、ファイナルで初めての先制点だった。2戦目まで好機で凡退を繰り返した郡司本人には何よりも〝良薬〟となっただろう。

 その後は6回に内野安打でファイナル初安打をマークし、7回二死満塁では2番手・木村から走者一掃の3点適時二塁打。先制、そしてダメ押しの2安打、4打点で本来の勝負強さを取り戻した。最大で3試合ある残りの戦いに向けても大きな好材料だ。

7回の満塁機で走者一掃の二塁打を打った日本ハム・郡司裕也(中)
7回の満塁機で走者一掃の二塁打を打った日本ハム・郡司裕也(中)

 主砲のレイエスはCS2号となるソロを放ち、打率4割5分5厘と絶好調。一方で打点は「2」にとどまっており、今後もいかにレイエスの前に走者を置けるかが得点力を左右してくる。初戦でレイエスの後の4番に入っていた郡司の復調は、そうした点でも停滞していた打線につながりを生むはずだ。

 郡司が打線のハイライトとなった一方、投手は先発・伊藤に尽きる。中5日で先発して8回116球で5安打無失点。11奪三振の好投はまさに「エース」と呼ぶにふさわしい投球だった。

 依然としてソフトバンクが優位であることに変わりはない。しかし、この好投が残りの試合でも生きる可能性がある。それは相手の中軸を完璧に抑え込んでみせた点だ。3番・栗原は4打席で3三振。ファイナルで初めて4番起用された山川と合わせて、計7度対戦して1本も快打を許さなかった。日本ハム打線が3戦目にしてようやく本領を発揮し、エースが相手の攻撃の要をことごとく封じた意味は大きい。

 日本ハム側からすると、1勝3敗で不利な状況は変わらない。だが、単なる1勝ではなくシリーズ全体の流れが変わる可能性を秘めた1勝になったことは確かだ。(野球評論家)