「2025 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファイナルステージは、リーグ覇者のソフトバンクと2位・日本ハムが15日からみずほペイペイドームで激突する。日本ハムはオリックスとのファーストステージに連勝。ホークスに1勝のアドバンテージがあるが、投打でカギを握るのは誰か。野球評論家の柏原純一氏はファーストステージで役割を果たせなかった2人をキーマンに挙げた。

【柏原純一「烈眼」】新庄監督にとってもソフトバンクとの決戦は〝何としても〟という思いが強いはずだ。昨年は同じ舞台で3戦全敗。内容的にも完敗だった。ただ、今季はレギュラーシーズンで12勝13敗。数字が示す通り、昨年のほどの開きはなくむしろ拮抗している。

 心強いのは、主力の多くが精神的にも良好な状態でファイナルに臨める点だ。オリックスとのファーストステージでは、新庄監督が起用した面々の多くが前向きになれる「結果」を得た。

 打撃陣では12日に逆転の決勝打を放ったレイエスをはじめ、その周りを固める郡司、清宮幸など中軸の各打者も打点を記録した。投手陣も無失点だった救援陣に加え、エースの伊藤も初戦で7回無失点と期待に応えている。

 一方で、若干の〝モヤモヤ〟を抱えながら、福岡の地に入る選手もいる。投手、野手で1人ずつ挙げれば、2戦目に先発した北山亘基投手(26)、野手では初戦に「8番・左翼」で抜てきされながら結果を残せず、2戦目はベンチ外となった野村佑希外野手(25)だ。

 北山は2戦目で2発を浴びて4回4失点。野村も初戦の最初の守備機会で一死から太田のフライを落球し、初回から一死二塁となるピンチを招いた。2回の第1打席では一死一塁からのエンドランを失敗し、併殺打を叩くなど攻守で精彩を欠いて2打席で途中交代となった。

 ファイナルステージではそんな面々の奮起があれば、チームはさらに乗っていけるのではないかと思う。仮にファーストステージで敗退していれば、悔やんでも悔やみきれない思いが募ったはずだ。だが、幸いにもチームが勝ったことで彼らも救われたはずだ。取り返す舞台が用意されただけに、思うように力を発揮できなかった選手たちこそ、より一層の奮起を期待したい。

 短期決戦では、そういった負のスパイラルにハマッた選手は往々にして起用しづらくなる傾向にある。しかし、このチームの指揮官はマイナス面だけにとらわれて今後の戦い方を考えてはいない。むしろ逆だ。

 ファーストステージ中に新庄監督から聞いたファイナルの構想によると、宮崎で行われている「フェニックス・リーグ」に参戦している選手をファイナルに招集し、先発メンバーに抜てきすることも考えているという。

 裏を返せば、それほどまでに今あるすべての戦力を集め、ソフトバンクに総力戦を仕掛ける腹づもりなのだろう。そんな青写真を聞いたからこそ、ファーストステージで蚊帳の外になってしまった選手の活躍こそがファイナルのカギを握るのではないかと感じる。

 指揮官の〝マジック〟がハマるようであれば、リーグ覇者をのみ込む可能性も高まってくるはず。連勝中のチームをますます勢いづける〝CS男〟の出現に期待したい。(野球評論家)