勝因はベテランの意見を聞き入れた新庄剛志監督(53)の信頼と決断か。日本ハムは11日にオリックスとの「2025 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファーストステージ初戦(エスコン)に2―0で快勝。ファイナルステージ進出へ王手をかけた。

 打っては万波の適時打と郡司の一発で効率的に得点。投げては先発・伊藤が気迫あふれる投球で7回を4安打無失点だった。投打の軸が結果を残せばチームは勝つものだが、この日に関してはそれだけではない。新庄監督が今季から積極的に行う投手・野手の「管轄分担」も大きく貢献したはずだ。

 日本ハムは昨季まで新庄監督が投手・野手の起用を一括管理。各担当コーチの意見を聞き入れながらも最終的には自身が決断し、ナインを送り出していた。だが、今季は担当コーチを信頼し、自身は極力「静観」。特に指揮官にとって不慣れな投手起用や継投に関しては「どうしても『こうしてほしい』と思う時は言うけど、それ以外は任せている」(新庄監督)と自軍コーチを成長させる意味合いも含め、あえて口出ししない方針を固めていた。

 そこにCSからは投手陣の「陰のコーチ」として今年9月にNPB史上4人目となる900試合登板を達成した宮西尚生投手(40)を抜てき。その宮西がオリックス打線を7回まで4安打無失点に抑えていた伊藤を引っ張らず、8回から田中、斎藤の継投リレーを決断したことがチームに勝利を呼び込んだ。

 仮に宮西の的確な判断がなければ、8回以降「伊藤続投」で試合展開が一変していたかもしれない。指揮官も試合後、自らこの点に触れ「今日は宮西スペシャルウルトラダイナミック総合コーチが継投をしてくれて(笑い)。あそこ(8回)もう1回、伊藤君かなと思ったところで田中君が来て。で、(9回の)斎藤君とつないだ。見事でしたね。勉強になりました」と宮西の判断を絶賛した。

 新庄監督が大舞台で見せた周囲への信頼と決断。首脳陣やナインにもこの思いは着実に伝わっているだけに…。チームの勢いが一気に加速する気配が漂い始めている。