エースが返り咲いた。全日本プロレス23日の立川大会で、宮原健斗(36)が斉藤ジュン(38)を破り、約2年7か月ぶりに3冠ヘビー級王座に就いた。V7を果たし絶対王者の貫禄も漂っていたジュンを死闘の末に撃破すると、高らかに〝日本プロレス界最高のエース〟襲名を宣言。「日本を元気にする!」と大風呂敷を広げた末、大混戦の〝MVP論争〟にも参戦だ。
7度目の戴冠は容易ではなかった。序盤からジュンのパワーに押される場面が続き、何度ももん絶。なんとか反撃に出て必殺のシャットダウンスープレックスを放つもカウント2で返され、絶体絶命のピンチが続いた。
しかしその猛攻を耐え抜くと、この日2発目のシャットダウンスープレックスで巨体を投げ切って3カウントを奪い、歓喜の瞬間を迎えた。試合後はマイクを持ち「日本プロレス界最高のエースは俺だ。そして俺が、3冠王者として何をするのか、教えてあげよう。日本を元気にする!」と興奮気味に話した。
エース襲名は分からなくもないが、なぜ宮原は突如「日本を元気に」と言い出したのか。その理由を「今、日本プロレス界が盛り上がってるでしょ? その中で俺が何をしようかなと思った時、日本そのものを元気にするしかねえというところに至ったんです」と自己陶酔する。さらに「〝日本プロレス界最高のエース〟である俺が、こぢんまりしていたらダメだなと思ったんですよ」と語気を強めた。
逆に言えば、近年は小さくまとまっていた自覚があるということ。それを認めた上で「ちょっと俺自身〝今のプロレス界〟に染まりすぎたなと思っていて。だからその反省も込めて、王者になったタイミングで『日本を元気にする』って言わせてもらったわけです」と説明。ではそのために何をするのか問われると「だから、そういう発想がもうこぢんまりしてるんだよ!」と斬り捨てた。何も考えていないわけではないと信じたい…。
久々の戴冠に、新3冠王者のしゃべりは止まらない。不敵な笑みを浮かべると「MVPもこれで決まりじゃない?」と東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」のMVPを視野に入れたと主張する。今年はここまで第100代世界タッグ王者になり、チャンピオン・カーニバル準優勝。王道トーナメントは優勝と結果を残しており、むげにはできないのも事実だ。
今年のMVPはノアのOZAWAや、スターダムの上谷沙弥が強く関心を示して〝論争〟が起きている。だが宮原は「MVPって『欲しい』って言って取りにいくものではないから。結果としてついてくるものなんですよ。つまり最後は、MVPの方から俺のところにやってくることになるんですよ。まあ、見てなさいよ」と小鼻を膨らませた。
気の早い賞の話はさておき、新3冠王者は日本をどうやって元気にするのか――。その手腕が楽しみだ。












