西武・武内夏暉投手(24)が、試練のプロ2年目を終えようとしている。17日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)に先発。ところが3回途中までに鷹打線から先発全員となる10安打を浴び、自己ワーストの11失点でKO降板となり5敗目(4勝)を喫した。防御率も5・26にまで悪化し、苦しいマウンドが続く。

 昨季は10勝6敗、リーグ2位の防御率2・17の好成績を残し、新人王に輝いた。2年目の今季もさらなる飛躍が期待されたが、思わぬトラブル続きでブレーキがかかった。1月の自主トレ中に「左肘内側側副靭帯の不全損傷」で早々と戦列を離脱。3週間のノースロー調整を経てキャンプは三軍スタートとなった。

 5月14日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)で今季初先発を迎えた後も、昨季のように順調とはいかず8月5日の日本ハム戦(エスコン)では打球が左足首を直撃。登録抹消となり、この日が復帰登板だった。

 昨季は全21戦登板のうちクオリティースタート(QS=6イニング以上、3自責点以下)が、16試合(約76%)を占めていた。だが今季のQSはこの日も含め全12戦登板中、5試合(約41%)に激減。そのうち昨季は12試合(約57%)で記録したハイクオリティースタート(HQS=7イニング以上、2自責点以下)も、今季わずか2試合(約18%)しかない。

 新人王を獲得した投手が翌年、成績を大きく下げることはよくある。西武でも2022年に60試合に登板し4勝1セーブ31ホールド、防御率1・77で同賞を獲得した水上由伸投手(27)が翌23年、右肩のコンディション不良を発症。ストレートの球速が130キロ台に低下するなど苦しんだ事例がある。

 ファーム関係者は「これはプロの宿命なんですが、誰もが良かった年以上のものを目指して向上心から新しいものに取り組む。ただ、その年の自分がなぜ良かったのか、客観的な自己分析がないまま前進してしまうと、筋肉量の変化など、自覚できない部分で体のバランスが変わってしまうことがある」という。

 武内も向上心から新しいトレーニングに取り組み、さらなる飛躍を目指したが、2年目の今季はそれが形になる前にトラブルを生んでしまったようだ。若武者左腕の苦闘に引きずられ、ソフトバンク戦に8―11と敗れたパ5位のチームも4連敗で借金は今季ワーストの11にまで拡大。昨季に続き、獅子の悪循環が止まらない。