メダルへの道筋が見える大健闘だった。陸上の世界選手権3日目(15日、東京・国立競技場)、男子3000メートル障害決勝で、三浦龍司(23=SUBARU)が8分35秒90で8位に食い込み、同種目で日本人初の2大会連続入賞を果たした。

 ラスト1周でのスパートは、さらなる飛躍を予感させた。鐘の合図とともにギアを上げると、一時はメダル圏内の3位へ躍り出た。最終盤の接触で「もつれてしまった」と順位を落としたが、意地の走りで入賞圏内は死守。右足首の痛みを抱えながらの戦いでも「押さえるべきところは押さえられた」と一切の言い訳はなかった。

 水濠やハードルなどの攻略はもちろん、選手同士との駆け引きもポイントになる種目。最後は運に見放されるも「自分の走りやスパートがある程度通用したなと思う瞬間はあった。世界に刺さるような走りはできている」と手応えを口にした。

 身長は168センチ。海外の大柄な選手とは顔1つ分以上、サイズが異なることもある。それでも、ライバルたちと接触する場面、よける場面を瞬時に判断。世界の猛者たちと対峙する場面が増えたことで「僕自身は引くタイプだけど、引いてばかりいると体力が奪われるので、積極的にぶつかっていくことが必要。そこは感覚の世界なので、ちょっと選手を見ていればわかる」とトップレベルの観察力を身につけた。

 悲願のメダルには届かなかった。ただ、高揚感も得たレースだった。「フラットな種目の走力など基盤の部分がもう少し高まってくれば、記録の伸びしろも見えてくる」。満開の花を咲かせる日はそう遠くなさそうだ。