阪神は13日の巨人戦(東京ドーム)に10―11でサヨナラ負け。今季最後の伝統の一戦は、両軍合計26安打という壮絶な乱打戦となった。

 今月7日にNPB史上最速となるリーグ制覇を達成した藤川球児監督(45)は、以降の消化試合を「ポストシーズンに向けた準備期間」と位置付け、勝敗を度外視した試験的なオーダーで臨む傾向が顕著。10月15日に開幕するセ・CSファイナルステージ(甲子園)を念頭に「ここからの1か月で勢いのある選手が出てくれば面白い」と、出場機会に恵まれなかった選手たちを積極的に起用している。

 代打の切り札として期待されながら、今季ここまで無安打無打点と苦しんできたプロ16年目のベテラン・原口文仁内野手(33)も、この日は5回一死満塁の好機で「代打の代打」として起用され投手強襲の適時内野安打をマーク。気迫あふれるヘッドスライディングで一塁へ飛び込むその姿は、藤川虎の基本哲学でもある「淘汰(とうた)の原則」に必死であらがっているかのようだった。

5回に代打でタイムリー内野安打を放った阪神・原口文仁
5回に代打でタイムリー内野安打を放った阪神・原口文仁

 一方、原口と同様に一、二軍の当落線上でもがいてきた6年目・小野寺暖外野手(27)は、この日「6番・左翼」としてスタメン起用されるも初回一死一塁の第1打席と、3回二死一、三塁の第2打席で、ともに空振り三振で凡退。乏しい打撃内容に終始したことも響いたのか、続く5回一死一、二塁でまわってきた第3打席では容赦なく代打を送られた。

「名前も顔も実績も関係ない。力がある選手だけを使う」と公言してはばからない藤川監督だけに、限られたチャンスで結果を残せなければ過酷な生存競争からあっという間に脱落してしまう。若き虎将が冷徹な目で見据えるのは、10月のCSか? 11月の日本シリーズか? あるいはさらにその先に待つ、来季へ向けた編成か――。チャンスとピンチは常にコインの裏表だ。