阪神・及川雅貴投手(24)が独占手記を寄せ、プロ6年目にして大きく花開いた今季の舞台裏を明かした。12球団最強とたたえられる虎ブルペンの左の切り札として、60試合に登板して防御率は驚異の0・94。リーグ制覇の原動力ともなった左腕の「点と点が一気に線になってつながった」という〝覚醒の瞬間〟とは――。
春季沖縄キャンプが始まってからも、しっくりこない状態がしばらくは続いていました。今でもよく覚えているのですが、二軍キャンプ地で行われた日本ハムとの練習試合(2月20日、具志川)でセットポジションの両足の並び位置を平行にするよう変更してみたんです。そこから一気に何もかもが良くなっていきました。
もちろんたったそれだけのことで、抱えていた全ての問題が簡単に解決することなどありえません。これまで一つひとつ積み重ねてきた点と点が線になって一気につながった――。自分としてはそういう認識ですね。長年かけて取り組んできたことは間違っていませんでした。
高卒で阪神に入団して今年が6年目。2年目の2021年あたりから一軍で使ってもらえるようになりましたが、悔しさを感じなかったシーズンは、これまで一度もありませんでした。チームが日本一に輝いた23年も33試合に登板しましたが、自分としては〝蚊帳の外〟にいた気持ちの方が大きかったのも事実です。
一軍にいてもベンチ外になるゲームも多かったですし、チームの勝利に貢献できている実感は少なかった。オリックスとの日本シリーズでも自分は登板機会はゼロ。ドラフト同期の(西)純矢も救援投手として出場する中、本当に悔しい思いをしました。
そういう意味でもチームの体制が変わった今季は、自分にとっても大きなチャンスでした。昨秋の安芸キャンプ時から、次シーズンを見据えた準備をこれまでにないほど積み重ねてきた自負があります。アマチュア時代から、安定感のあるパフォーマンスを継続的に発揮することが大きな課題でしたが、今季ここまでは中継ぎ投手としてそれができていると思います。
何よりも今はチームの勝利にしっかりと貢献できている達成感と、充実感があります。先発業へのこだわりも今はありません。試合終盤の重要な局面でマウンドに立ち、無失点でイニングを締めてバトンをつなぐ。ベンチへ戻りチームメートに出迎えられる瞬間が大好きです。
残るはポストシーズンですね。最後までしっかり投げ切れるように頑張ります。いつも熱いご声援をありがとうございます。(阪神投手)















