【女子プロレス最強レスラーの告白 神取忍 お前の心を折ってやる(29)】女子プロレスラーたちとの思い出深い試合を振り返ってきたけど、流血沙汰のデスマッチもこなしてきた。ブル中野とのチェーンデスマッチ以外にも「あれはひどい」と周囲から言われているのが「くどめ」こと工藤めぐみとの一戦だった。
1997年1月にLLPW後楽園大会でストリートファイトをすることになった。この試合前にシングル戦で勝利し、再戦を要求されたんだ。ルールはリング以外のどこで戦ってもOK。「何やってもいいんだ」って思って、コスチュームもいつものウエアではなく、黒い上下のスーツにサングラスとネクタイを着用し登場。チェーンも用意した。今だから言えるけど、シャツを着ていたから、とても動きにくかったのを覚えている。
パイプいすに机も使って攻撃。くどめはしぶとくてね。首にチェーンを巻きつけて一番上のロープからつるした。それでもギブアップしない。「この野郎!」と思ってもっと高いところを探した。後楽園ホールのバルコニーが目に入って、上がってつるしたんだ。あれ大変だったんだよ。くどめを持ち上げて、バルコニーの塀を越えさせないといけないから。さすがのくどめもギブアップ。勝利した。
後で知ったんだけど、くどめはロープにチェーンでつるされた時点ですでに意識もうろうだったらしい。自分でもひどいやつだと思うよ。いつも言うようだけど、当時の自分がここにいたら頭を小突いてやりたいよ。たださ、ロープに宙づりの段階で妥協せずにバルコニーまで行くのが神取忍かもしれないね。どこまでも「嫌なやつ」ってなるじゃん。あと、何よりくどめがギブアップしなかったから生まれた試合。そこはくどめにも感謝だよね。
あの時は、ブルとのチェーンデスマッチが「凡戦必至」と言われながら覆したから自信を持っちゃったんだろうな。言われてみたら、くどめ戦は自分の中で5本の指に入る試合かもしれないね。この後、くどめと有刺鉄線デスマッチもやっているんだよ。
振り返ると血だるまの試合は結構多いんだ。極悪女王・ダンプ松本さんとの試合も面白かった。2005年12月にシングルで対戦。フォークで額を突き刺されて、こちらも鉄拳でダンプさんの額を割ってお互い血まみれになった。ダンプさんはヒールっていうところでの怖さ、うまさを全部駆使してくる。さすが「極悪同盟のダンプ松本」っていうだけある。お客さんを引きつける力があるんだよね。
どうしても柔道家で、プロ入り後は最初から全日本女子プロレスにケンカを売っていたからイメージ悪いけど、意外といろいろできるんだよ。次回はリングを飛び出した経験をお伝えしたい。












