パ首位を快走するソフトバンクで、新守護神・杉山一樹投手の存在感が際立っている。6月に不振のオスナに代わってストッパーに転向すると、わずか2か月余りで節目の20セーブに到達。セーブ機会では失敗がなく、成功率100%を誇る安定感で、今季の「陰のMVP候補」といっても過言ではない。
節目となった20セーブ目は20日の西武戦。3点リードで9回に登板し、デービスに2ランを浴びて1点差に迫られたが、後続を落ち着いて断ち切った。小久保監督は「全然(問題ない)。3点差はクローザーにとって一番難しい点差。勝ちきればいいんです」と信頼を強調。多少の失点があっても、守護神としての役割を果たしたことを認めた。
21日、みずほペイペイドームでの投手練習後、倉野投手コーチも杉山の成長を称賛した。「元々タフさ、体力、筋力はチームでもトップクラス。ここ2年は波がなくなり、良いときも悪いときも変わらず取り組めるようになった。それが成長につながっている」と安定感の背景を説明。さらに「1点差でも勝って終わればナイスピッチング。どう最後の1点を守るか。その役割をしっかり果たしてくれた」と、西武戦での投球を評価した。
杉山は2018年ドラフト2位で入団。かつては先発で期待されながら制球難や不安定さに苦しんだが、ブルペンでの経験に加え、近年はフォームの安定や体力強化にも努めてきた。倉野コーチが「技術面とメンタルの両方で成長している」と語るように、地道な積み重ねが今季の飛躍を後押ししている。
この西武戦の勝利でチームは両リーグ最速の貯金30に到達。すでに優勝マジックを点灯させた阪神をもしのぐ快進撃を支えるのが、杉山の安定したセーブだ。中継ぎ陣の負担が増すシーズン後半にあって、最後を託せる守護神の存在は大きい。タイトル争いでも西武・平良の24セーブに迫っており、初のセーブ王も視界に入ってきた。
打線のつながりや先発陣の粘投が話題になる一方で、勝利の瞬間を締めくくる守護神の役割は何よりも重い。9回のマウンドに立ち続ける杉山のタフさと冷静さは、チームの躍進を支える原動力だ。派手さはなくとも、その存在感は今季の「陰のMVP」にふさわしい輝きを放っている。











