パ首位のソフトバンクは17日のロッテ戦(みずほペイペイ)で1―0のサヨナラ勝ちを収めた。9回一死一、三塁から牧原大成内野手(32)が一塁線を破る劇打。直前に代走・緒方理貢外野手(26)が決めた勇気ある三盗を生かし、カード勝ち越しを決めた。
四球を選んだ近藤の代走で出場した緒方は一死一、二塁となって牧原大の打席で果敢にスタートを切った。「データもあったし『行けたら行け』のサインも出たので思い切って行った」。試合後の小久保監督が「本当に勇気のいるスチール」「プロの仕事」とたたえるプレーだった。
代走、守備固めで欠かせない戦力となった緒方は、今月5日にプロ入り初の二軍降格を経験していた。理由は〝一軍慣れ〟。昨年3月に支配下昇格をつかみ取ってから一軍にフル帯同し、置かれた立場に満足していたわけではなかったが、周囲にはそう映った。
二軍再調整を経て15日の同戦から最短で一軍昇格。復帰戦では泥くさい内野安打をマークして、勝ち越しの起点となった。奮起を促されて一軍に戻ってきた最初のカードで、初戦に続いて勝利に貢献。指揮官は「この2勝は彼の活躍が大きい」と賛辞を惜しまなかった。
サヨナラ打の牧原大は、緒方にとってオフの自主トレに同行するなど薫陶を受けてきた「育成出身」の先輩。この日、牧原大から緒方へ送られたメッセージは厳しくも愛があった。
「代走、守備固めだけで満足しているんじゃないかと思った。控えで終わるんじゃなくて、レギュラーとして外野の一角に食い込んでほしい」
若手、中堅が限界をつくらずレギュラーに挑んでこそ、チーム内の競争力は高まる。かねて牧原大は「下からの突き上げが大事。主力の危機感が増せば、もっとチームは強くなる」という考えで、若手に〝ギラギラ感〟を求めてきた。緒方の野球人生だけでなく、チーム全体を見渡しての〝突き上げ要求〟だった。
士気を高める1勝。首位の座は揺るがない。













