阪神が10日のヤクルト戦(京セラ)で今季最多の16安打を浴びせ5―2で勝利し、同最長の6カード連続勝ち越し。優勝へのマジックを「29」とし着実にXデーへ向け駒を進めている。

 藤川球児監督(45)が「最も誇れる選手」と表現したのは4番にどっかり座る佐藤輝明内野手(26)だ。初回、二死二塁の第1打席で先制の右線適時二塁打を放つと、3回の第2打席では右中間へ31号ソロ。8回は先頭打者として今季2度目の1試合4安打となる右翼線二塁打を放ち、5点目のホームを踏んだ。

 守備でも魅せた。9回、3点差と迫られなおも二死二、三塁の場面では、代打・増田の強烈な三ゴロを見事にグラブに収め、一塁送球でゲームセット。同学年の先発・才木の完投での2年連続2桁、10勝目をアシストしてみせた。お立ち台で「優勝がかかっている大事な時期なんで、しっかり守備でもバッティングでも貢献できるように頑張ります」と話す姿はまさにヒーローそのものだった。

 藤川監督は「打つのも守るのも走塁も、本当に素晴らしい姿をずっと見せてくれている。本当に心強い4番打者。最も誇れる選手。勇ましい姿を見てましたね。最後もスッと捕ってくれるというね。心強い選手だな」とベタ褒め。首位を走るチームをけん引する若虎への信頼を言葉に残した。

 投のヒーローは才木だ。6回に北村恵にソロ、9回に丸山巌の適時打で2失点したものの、9回を無四球、10安打完投で126球を投げ切った。本人は「今日の投球内容は反省点が多い」としていたが、9連戦の初戦を完投した事実は重い。10勝はDeNAの東に並ぶリーグトップタイの成績だ。

 指揮官は「もう、信じるのやめようかなと思いましたね」と笑いつつも、「きょうはどうしても最後までいってもらいたかった。いかなきゃいけないです。ちょっとフラフラしましたけどね。でも、これで一つ乗り切ったんで、次からはスッといくんじゃないかなと思っています」と笑顔を見せた。自身が就任以来、期待を込める投打の軸が機能しての勝利は格別だったはずだ。

 5番の大山が3安打1打点と存在感を示すと、6番に入った高寺もプロ入り初の3安打猛打賞、1打点と気を吐いた。1番・近本が6回の守備からベンチに下がり、今季のフルイニング出場が途切れたことは不安要素ではあるが「休養を取らせようと。大丈夫だと思います」(藤川監督)と、マネジメントに問題は見られない。

 11日からはマツダスタジアムに移動し広島との3連戦が控えている。ビジターでも快進撃が続くのか。虎党の期待を背負い藤川阪神が夏のロードを駆け抜ける。