J1でも通用する――。そんな自信を確信に変える一撃を、初出場で決めてみせたのが今季6月にアビスパ福岡へ完全移籍したFW碓井聖生(24)だ。地元・富山のカターレ富山ではJ2昇格の原動力となり、ついに夢だったトップリーグの舞台へ。動き出しの鋭さとポストプレーを武器に、日本代表のFW上田綺世(フェイエノールト)を目標に掲げ、日々の鍛錬に励んでいる。試合前にはオムライスと水1・5リットルという独自のルーティンも欠かさない。新天地・福岡で飛躍を誓う24歳のストライカーが、その覚悟を語った。

 ――福岡からオファーが届いた時の気持ちは

 碓井 J1のクラブからオファーをいただいたと聞いた時は本当に驚いたし、うれしさと同時に覚悟が決まりました。それまで富山でやってきて、地元でのプレーには特別な思い入れもあったけど、「もっと上でチャレンジしたい」という思いが日に日に強くなっていたので、自分にとってはすごく前向きな決断だった。移籍が決まった時には不安もあったが、それ以上に挑戦したいという気持ちが強かった。新しい環境に飛び込む怖さもあったが、自分を変えるチャンスだと信じて福岡に来ました。

 ――これまでのサッカー人生を振り返って

 碓井 富山第一高から中京大に進んで、地元のクラブであるカターレ富山に加入した時はJ3でした。富山では「自分がクラブをJ2に昇格させるんだ」という強い気持ちを持っていて、実際にプレーオフで得点を決めて昇格できた経験は一生の財産です。ただ、今季J2に上がってからは個人としては5点しか取れなかったことがすごく悔しくて、もっと自分にできることがあったんじゃないかと反省しています。うまくいかない時期もあったが、それを乗り越えてきたことで今の自分があると思う。

 ――J1のスピードや当たりの強さに違いがある中、初出場で初ゴール

 碓井 まず一番に感じたのはプレースピードと守備の強度の違い。練習の段階から「これは今までと全然違うな」と思うくらいの速さで、最初は慣れるのが精いっぱい。でも、そういう環境の中でやっていくうちに、自分の武器や持ち味をどう生かせばいいのかが少しずつ見えてきた。初出場となった6月の新潟戦では、しっかり準備して臨めていたので、あまり緊張せずにプレーできた。あの得点は、自分の中で「J1でもやれる」という自信を確信に変えてくれたゴールで、これからもっと得点を重ねてチームに貢献していきたいと思わせてくれるものとなった。FWとして結果を出すことで信頼を得られると思うので、これからも数字にこだわっていきたい。

移籍初ゴールを決めた福岡・碓井聖生(6月21日)
移籍初ゴールを決めた福岡・碓井聖生(6月21日)

 ――福岡のチームの雰囲気は

 碓井 すごく良くて、先輩も後輩もみんな話しやすいし、日々の練習も前向きに取り組めている。FWとしては、とにかくゴールを取ることが一番大事だと思っているので、自分の役割をしっかり果たせるよう、毎日の練習から意識を高くしてやっている。福岡は得点力が課題だということも聞いていたので、自分がその課題を少しでも改善できるように、結果にこだわっていきたい。紅白戦でもお互いを高め合える雰囲気があるので、日々刺激を受けながらやれている。

 ――自身のプレースタイルや強みは

 碓井 一番の強みは勝負強さだと思う。ここぞという場面でゴールを決めきる力には自信がありますし、ポストプレーでボールを収めてチャンスをつくることも意識している。試合の中でシュートまでいける回数をいかに増やせるか、どこで顔を出すべきかを常に考えているし、相手の守備の裏を突く動きにはこだわっています。練習では試合を意識してトラップやパス、シュートを常に目的を持って取り組んでいる。試合展開や相手によって立ち位置や動き方も変わってくるので、そこは試合ごとに映像を見て研究しています。

 ――これまでのキャリアで一番苦しかった時期は

 碓井 去年の夏ですね。点が取れなくて「どうしよう」となっていた時に、キャプテンの吉平翼さんから「絶対チャンスくるから」って言ってもらえて。そこから気持ちがすごく楽になって、気負わずプレーできるようになった。うまくいかない時こそ、周囲の声って本当に力になるし、自分もそういう存在になりたいと思った。

 ――目標としている選手は

 碓井 上田綺世選手です。動き出しの鋭さやポストプレーの安定感、決定力はすごく参考にしている。難しいボールも収めているし、ああいう選手になりたい。試合前にユーチューブとかでプレー集をよく見てイメージを膨らませていて、特にペナルティーエリア内での動き方は何度も繰り返し見ています。

 ――福岡での生活は

 碓井 福岡は本当に住みやすい街ですね。富山にいた時よりも外に出掛ける機会が増えた。基本は家でゆっくり寝ているけど、天神にはよく行く。買い物をしたり、おいしいものを食べたりして、オフの日も充実しています。仲の良い選手は橋本悠で、笑いのツボが合うし、一緒にいて楽なんです。めっちゃ晩ご飯にも行きますし、5日連続で一緒に行ったこともあるくらい(笑い)。あと、ユウマ(小畑裕馬)とシゲ(重見柾斗)ともよくご飯に行きます。

 ――ゲン担ぎやルーティンは

 碓井 大学時代から試合前日夜は必ずオムライスを食べています(笑い)。あと、お風呂上がりにたくさんの水を飲むこと。1・5リットルくらい飲んで寝ると、朝には体が軽くなって次の日の調子が僕はいいんですよ(笑い)。これは富山時代に友達に勧められてからずっとやっています。

 ――今後の目標とサポーターへのメッセージを

 碓井 まずはチームにしっかり貢献できるように、もっともっと試合に出てゴールを重ねていきたい。個人的には2桁得点という数字を目標に置いています。そのためにも日々のトレーニングを大切にして、常に成長していきたい。サポーターの皆さんには、福岡に来たばかりの自分にも温かい声援をいただいて本当に感謝しています。ゴールを決めた後にスタジアムが湧くあの瞬間は、本当に特別なものです。もっとゴールで喜んでもらえるように頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします。

笑顔でガッツポーズをする福岡の碓井聖生
笑顔でガッツポーズをする福岡の碓井聖生

 ☆うすい・しょうせい 2001年7月20日生まれ。富山県中新川郡出身。ポジションはFW。背番号27。身長183センチ、体重75キロ。富山第一高を経て中京大4年時の23年に特別指定選手として当時J3の地元クラブ・カターレ富山へ加入。昨季は38試合に出場して9ゴールし、プレーオフ決勝では2得点を挙げるなどJ2昇格の立役者となり、25年6月にJ1アビスパ福岡へ完全移籍。J1初出場となった6月21日の新潟戦で初ゴールを決め、鮮烈な印象を残した。利き足は右ながら左右両足でのシュートに自信を持ち、ポストプレーと勝負強さが持ち味。