これが森保ジャパン〝勝利の方程式〟だ! 11日開幕のサッカーの北中米W杯に臨む日本代表で、MF久保建英(25=レアル・ソシエダード)の活躍が期待されている。恩師でJ1東京Vアカデミーのヘッドオブコーチングを務めている元日本代表DF中村忠氏(55)は、J1FC東京時代に指導したまな弟子に求められている任務を「ゴール」と明言。中でもFKキッカーとしての能力を高く評価しており、ゴール奪取のシナリオまで披露した。

現在はJ1東京Vアカデミーで指導する中村忠氏
現在はJ1東京Vアカデミーで指導する中村忠氏

 久保がFC東京の下部組織に加入した15歳から指導してきた中村氏は、現在もLINEなどで連絡を取り合っているという。そんなまな弟子の現状について「シーズン終盤はあまり出番に恵まれなかったけど、プレーを見る限り普通にやっていましたし、世間で言われているようなコンディション不足の状態ではないと思います」と分析した。

 これまでもスペインに移籍した久保の成長を見守り、その進化の過程を語ってくれていた。今シーズンについては「ケガが多い? スプリント系の練習で筋肉がついて速くなった。そうなると筋肉系の負傷が多くなるんです。悪いケガではない」と強調。「かわいかった顔が大人っぽくなってかっこ良くなった。ひげ? いいんじゃないですか」と貫禄が出てきた様子に目を細める。

 そんな久保が挑む2度目のW杯に向けて「中心選手になってきた。もう日本代表の顔と言えるんじゃないかな」と太鼓判。「課題というか、W杯で建英に求められているのは得点。スペインでもハードマークが付いたり2人に付かれたり、対策されているのは、建英に決定力があるから。得点を取られないように警戒されているわけなので」と指摘した。

 W杯本番では徹底マークをかいくぐってのゴールが期待される一方、久保の特性を生かして得点を取る方法があるという。中村氏は「ペナルティーエリア近くで建英がボールを保持するんです。狭いスペースでももらえるし、前も向けるからファウルを呼び込める。そこで得たFKで直接ゴールを狙うこともできる。今の日本代表には絶対的なキッカーはいないので、チャンスでは全部、建英に蹴らせてもいい」とズバリ。久保の一撃こそが、森保ジャパン勝利の〝最適解〟になるというわけだ。

現地の子供ファンのサインに応じるMF久保建英
現地の子供ファンのサインに応じるMF久保建英

 恩師は「RソシエダードでFKを蹴ることは少ないけど、建英は本当にうまい」とその資質を力説する。中学生ながら飛び級で所属したFC東京U-18のメンバーとして臨んだクラブユース選手権。大会出場率が50%に満たない中、得意のFKなどでゴールを重ねて得点王になった。そんな驚異的とも言える精度の高いキックは健在という。「(FKのスペシャリストで日本代表コーチの中村)俊輔がいるので合宿中に指導を受ければ、さらに決まる確率も上がる。同じ左利きなので」とレジェンドの助言で武器に磨きがかかるとみる。

「取材にこれまでもお話ししていますが、建英の一番すごいところは、壁があってもそれを乗り越える力なので。自分で考えて必ず克服してくるんです。W杯でも壁を乗り越えてくると思っています。もちろんFKだけではなく、彼はいろいろなことができるので、強みを生かして得点してほしい」と中村氏は力を込めた。

 2度目の大舞台では、さらなる躍進が待望されている。「野球界では大谷翔平(ドジャース)が活躍して、89歳になるうちの父がうれしそうに話をしているんです。建英も、このW杯で好プレーを見せることで日本国民に元気を与えてほしい。そういうことができる選手だと思ってますから。そうなれば、ステップアップとなる良いオファーが来るはずですよ」と期待を寄せた。

 至宝が黄金の左足で日本中を熱狂させるか。