北中米W杯決勝(19日=日本時間20日、米国・ニューヨーク)、前回2022年カタール大会優勝のアルゼンチンはスペインに延長戦の末に0―1で敗れた。一方で、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(マイアミ)の〝退場要求〟が波紋を広げる中、当事者のスペイン代表DFマルク・ククレリャ(レアル・マドリード)が口にしていた言葉が判明した。

 問題の場面は、後半アディショナルタイムだ。MFエンソ・フェルナンデス(チェルシー)が相手選手に勢いよく突っ込み、2枚目のイエローカードで退場となった。騒然となってその場に両チームの選手が集まると、ククレリャがメッシに近寄った際に指を軽く口元に当てるしぐさを見せた。

 今大会では差別的な発言を隠すために口元を隠す行為が一発退場となるため、これを見たメッシはすぐさま挙手して、審判に激しく詰め寄り退場を要求。だがククレリャは退場にはならなかった。

 メキシコ放送局「テレディアリオ」は「エンツォ・フェルナンデスの退場後、緊迫した展開となり、場の熱気が最高潮に達していた中、スペイン人DFはロサリオ出身のスター選手に近づいた。その瞬間、ククレリャは口元に手を当てる素早いジェスチャーをしながら、『お前、大丈夫か?』と軽く声をかけた」と当時のやり取りを明らかにした。

 さらに「キャプテンとしての役割を全うするメッシは、主審のスロベニア人スラブコ・ビンチッチに直接詰め寄り、スペイン人ディフェンダーの退場を要求した」とした上で「メッシの怒りの背景には、FIFAがこのワールドカップで導入した厳格な規定があった。この規定では、顔や口を隠して対戦相手に侮辱や言葉による攻撃を行う選手に対して、厳しい罰則が科されることになっている」と説明する。

 そして、ククレリャの主張をこう紹介する。「そもそも話しかけてすらない」とククレリャは強調した上で「オレ、あいつに一言も言ってないよ。ふざけるなよ、そんなのダメだ。これじゃ真剣な試合じゃない」と釈明。退場にあたるような言葉はもちろん、メッシと会話をしていないと怒りをにじませた。

 同局は「主審が両選手の感情を鎮めようとしている最中、サイドバックは非難した。数秒間の審議の末、ククレリャの言葉が侮辱や反スポーツ的行為には当たらないと判断した主審は、レッドカードを出さないことを決定し、試合は続行された」と指摘した。

 メッシの退場要求は〝無理筋〟だったようだ。