サッカーの北中米W杯決勝(19日、米国・ニューヨーク)、アルゼンチンはスペインに延長戦の末に0―1で敗れたが、FWリオネル・メッシ(マイアミ)の〝退場要求〟が波紋を広げており、ライバルであるポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(アルナスル)との〝違い〟が脚光を浴びている。

 決勝の後半アディショナルタイムに、アルゼンチンのMFエンソ・フェルナンデス(チェルシー)が相手選手に勢いよく突っ込み、2枚目のイエローカードで退場となった。騒然となってその場に両チームの選手が集まると、スペインのDFマルク・ククレリャ(レアル・マドリード)がメッシに近寄った際に、指を軽く口元に当てるしぐさを見せた。

 今大会では差別的な発言を隠すために口元を隠す行為が一発退場となるため、これを見たメッシはすがさず挙手して審判にアピール。激しく詰め寄って退場を要求した。だが、ククレリャは退場にならなかった。

主審の抗議するメッシ(右=ロイター)
主審の抗議するメッシ(右=ロイター)

 メッシの〝無理筋〟な退場要求は世界中から批判を浴びているが、インドメディア「ポップラント」は、今大会で同様のシーンがあったロナウドとの対応の差が注目を集めていると指摘した。

「決勝でのククレリャとの物議を醸す対立によりメッシが批判にさらされる一方、ロナウドの(ウズベキスタン戦での)フサノフとのやり取りの映像が再び注目を集めている。ロナウドがアブドゥコディル・フサノフに送ったアドバイスは広く称賛された」と提起し、説明をこう続ける。「大会序盤、ロナウドはウズベキスタン戦で、これと非常によく似た状況に陥っていた。不運なオウンゴールの後、若いウズベキスタンのDFフサノフがロナウドに近づき、その出来事について話しながら、思わず口を覆った」

 会話の流れの中で、相手が〝口元隠し〟を行った点でメッシとククレリャの件と同様のケースだ。しかし、ここからの対応は正反対だった。

「新規定の下では、ロナウドは簡単に審判の注意をそのジェスチャーに引きつけ、相手選手に厳しい罰則を与える可能性があった。しかし、ポルトガル代表キャプテンは全く異なる反応を示した。ロナウドは数的優位を得ようとするどころか、笑顔で笑いながら、すぐにフサノフに手を下ろすように合図していたという。この出来事をとらえた動画からは、ロナウドが若いDFに新しいルールについて警告し、うっかりルールを破って不必要なレッドカードを受けるリスクを避けるよう促していたことがうかがえる」と退場になる可能性を心配したロナウドが、誤解を招く動作を避けるよう教えてあげたというのだ。

「フサノフはすぐに助言を理解し、手を下ろしたため、試合は問題なく続行された。規律違反の火種になりかねなかった事態は、結果的に今大会で最も称賛されたスポーツマンシップの好例となった」とロナウドの行動に称賛が集まっている。

「ロナウドに関しては、ファン、元選手、そして評論家たちは、彼が日和見主義よりも指導を選んだことを称賛した。多くの人が最高レベルで競い合っているにもかかわらず、ポルトガルの利益のために状況を利用するよりも、若い対戦相手が避けられるはずのミスを犯さないようにすることを優先した点を指摘した」と賛辞の輪が広がっている。

 メッシとロナウドの対照的な行動が議論を呼んでいる。