元日本代表FW武田修宏氏(58)が静岡・清水東高時代の先輩で同FW長谷川健太氏(60)と6月開幕の北中米W杯に臨む森保ジャパンの指揮官について〝本音トーク〟を繰り広げた。

 武田氏(以下武田)日本代表初の外国人監督(ハンス)オフトはどうでした? 健太さんも監督も経験し、改めてドーハの予選を振り返ると、当時のオフト監督ってどう見えます?

 長谷川氏(以下長谷川)当時は戦術的な話はされなかったけど、ラモス(瑠偉)さんとケンカしながらも、うまくコントロールし、チームをつくり上げたかな。「アイコンタクト」「トライアングル」っていうキーワードを浸透させた。その言葉でイメージできる。すごい監督だなって素直に思っているよ。

 武田 そういう監督でしたね。実は仲間の指導者たちに健太さんと対談すると言ったら「なんでどこの監督をしても勝てるのか聞いて来てくれ」と…。どういうチームが勝つのか。何をすれば勝てるのかって。信念というか、哲学があれば教えてほしいって。

 長谷川 うーん…。まずは公平な競争、ブレない戦術も大事、そして、しっかりとした目標。それがないと勝つチームはつくれない。戦い方は別としても選手にとって〝やれば〟試合に出られる環境は大事だし「有名な選手だから」「外国人だから」と言われるような、えこひいきはしない。そういう組織をつくることじゃないかな。

 武田 いやー勉強になります。昨年に名古屋で特別コーチをやらせてもらいましたけど、外国人へのアプローチって難しいじゃないかですか。健太さんは特別扱いしないし、うまく盛り上げてやらせるマネジメントがすごくて、さすがだなって。ところで日本代表監督やりたくないですか。今までオファーはあったんですか?

 長谷川 こんなところで言えないよ。それに自分で決められないことは答えづらい。若い指導者ならば「将来やってみたい」とか言えるけど俺ら世代はね。森保(一)が日本代表監督をやっていて、大変なところを見ているし。

メモをとる森保一監督
メモをとる森保一監督

 武田 そう言えば森保監督は健太さんについて「勝利のメンタリティーをわかっている監督」と評価していました。健太さんは森保監督はどう見てます?

 長谷川 めちゃくちゃ大変だろうなって。国歌を聞いて泣いている森保を見るだけで「すごく大変なんだろうな」って感じるよ。国をまとめて指揮をするのは本当に大変なこと。印象あるのは広島の監督時代、当時G大阪の監督をしていてナビスコ決勝(2014年)で戦った。キチッとした監督だと思っていた。メンバー交代とか、90分を通し、どう戦うかを考えるタイプだった。流れを変える切り札もしっかりそろえている戦ってくる。そういう印象だよ。

 武田 彼は広島の監督をやって評価を高めましたからね。3度もJリーグ制覇してます。そのころに比べて、日本代表を指揮する森保監督はどうですか。当時とやり方はもちろんですけど、印象は違ってますか?

 長谷川 オレが言うのは変だけど、進化しているなと。今回のW杯予選から本来守備的な3バック布陣で攻撃に圧力をかけた。ウイングバックに攻撃的な選手を置くやり方で、左利きの(堂安)律(Eフランクフルト)を右サイドで使ったり(久保)建英(レアル・ソシエダード)も。W杯本番を見据えた戦い方だったのかなと思う。

 武田 監督としてはどんなタイプと見てました? 健太さんから見てやりづらいとか組みやすいとか。

 長谷川 やりづらいタイプだったよ。守備も攻撃もどちらにもうまく対応できる。それに森保をマネして試合中にメモを取るようにしたけど、何を書いていいのかわからないんだよ。だから途中から時間を書くようにして、ハーフタイムに気になるシーンの映像を選手見せて。でも、時間を書かなくても、そのシーンを覚えているんで。じゃあ、森保は何を書いているのかなって。

 武田 森保監督に聞いておきます。今回は長谷川健太さんに監督の話だったり、勝つチームの話、ドーハの話と勉強になりました。これからも体に気を付けて日本サッカーの未来のためによろしくお願いします。