〝博多のメッシ〟の異名を持つドリブラーが存在感を発揮している。アビスパ福岡のMF紺野和也(27)は、幼少期からリオネル・メッシ(37=インテル・マイアミ)の映像に魅せられ、自らの感性で磨いたドリブルを武器に成長を遂げてきた。ピッチでは違いを生み出す攻撃の起点として躍動し、日常では温泉とカフェを愛する穏やかな素顔も。多彩な引き出しでJ1の舞台で輝きを放ち、再びアジアチャンピオンズリーグ(ACL)への挑戦を見据える紺野が語る〝らしさ〟と、福岡で深まったサッカー人生とは――。
――自身の代名詞であるドリブルの存在とは
紺野 昔から好きだったんですよ。小さい頃、ただボールを触っているだけでも楽しくて、だんだんと自分の特徴になっていった感じ。今では大きな武器です。
――影響を受けた選手
紺野 やっぱりメッシがずっと好きでした。映像を見てマネしたりとかしていた。
――サポーターから「博多のメッシ」の愛称で呼ばれることに関して
紺野 本家のメッシが偉大すぎて、自分はまだ全然そのレベルには達していない。左利きで背が低いところは似てるかもしれないけど、能力的には全然違うし、一緒にしたら悪いですよ(笑い)。
――狭い局面での打開力や創造性はどうやって磨いた
紺野 とにかく映像をたくさん見た。面白いプレーをする選手は海外やJリーグにもいて「このプレー使えそうだな」と思ったものを練習で試して、良ければ試合でもやってみる。そういう繰り返し。
――最近、参考にしている選手
紺野 マンチェスター・シティのフォーデン、リバプールのサラーとかよく見ます。バルサ時代のメッシのプレー集も今でも見るし、ロナウジーニョ(元ブラジル代表)やネイマール(サントス)の独特なリズムやアイデアも参考にしている。
――自身で大切にしている〝紺野らしさ〟とは
紺野 攻撃の選手なので、常にチームの中心でありたいし、違いを出すプレーを心がけている。それができなければ試合に出る意味がないと思っているので、そこは意識している。
――FC東京で3年、アビスパ福岡で3年目となるが、成長した部分は
紺野 最初はプレースピードや強度、外国人選手のフィジカルに慣れるのに時間がかかった。でも徐々に慣れてきたし、福岡に来てからはシャドーのポジションもやるようになって、プレーの幅が広がった。
――福岡に移住して感じること
紺野 一番感じるのは住みやすさ。東京みたいに人混みや渋滞が少なくて移動も楽。ご飯もおいしいので、快適に生活できている。特に魚がすごくおいしい。東京にいた時の福岡のイメージはめんたいこやもつ鍋とかで、あまり魚のイメージがなかったけど、海も近いので海鮮がうまい。イカの活き造りもこっちで初めて食べました。
――2019年ユニバーシアード大会では三笘(ブライトン)、旗手(セルティック)、上田(フェイエノールト)、森下(レギア・ワルシャワ)らと大学日本代表として一緒にプレーし〝大学黄金世代〟とも呼ばれている
紺野 当時の関東大学リーグのレベルは高かったですね。今でも海外やJ1で活躍してる選手が多くて、本当に黄金世代だったと思う。
――三笘のすごいところは
紺野 身体能力がすごく高くて、スピードも日本人離れしている。技術もあって大学時代はドリブルの研究もしていて頭もいい。止めるのは本当に難しい選手です。
――アビスパ福岡・金監督の指導法の良いところ
紺野 常に試合を意識した練習をしている。練習で頑張ってる選手を試合で使うというスタンスがあるので、日々の競争が生まれて、しっかり締まった雰囲気でトレーニングができている。
――リーグ戦の前半は9試合連続勝ちなしと苦しい時期もあったが、後半に向けての役割は
紺野 攻撃の選手として、得点やアシストはもちろん、チャンスをつくることを意識している。個人でもチームでも協力して攻撃を組み立てたい。
――仲の良いチームメート
紺野 みんな仲がいいですけど、よく遊ぶのは(GK)永石(拓海)君とかですね。キャンプにもよく一緒に行く仲。グッズも全部そろえていて料理もうまいので、キャンプ飯も毎回、全部つくってくれる。火起こしだけは少し手伝いますけど(笑い)。
――リラックス法
紺野 休みの日は温泉に行ったり、奥さんとカフェでのんびりしたりしてます。家でネットフリックスを見て過ごすことも多いです。
――印象に残っている温泉地は
紺野 由布院、別府、黒川、嬉野と九州では車で行ける範囲での温泉は結構、いろいろ行ってます。鹿児島までは行けてないけど、山口の長門湯本とかも良かったです。
――最後に今後のビジョンは
紺野 体が持つ限りはサッカーを続けたい。できるだけ長くJ1で活躍したいし、1年目にちょっとだけ出たACLにもまた出たい。今年の川崎フロンターレの活躍を見ても、海外のチームと対戦するのはいい経験になるし、すごく楽しいと思う。そういう舞台でプレーしたい。(インタビュー・霞上誠次)
☆こんの・かずや 1997年7月11日生まれ。埼玉県吉川市出身。武南高から法大へ進学。3年次の全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)ではチームの42年ぶり優勝に導く活躍が評価され、ベストMF賞を受賞。2020年にFC東京へ加入し、22年にアビスパ福岡へ完全移籍。身長161センチ、体重59キロ。ポジションはMF。左利きの技巧派で俊敏な切り返しと創造性あるプレーで攻撃をけん引。持ち味のドリブルで存在を発揮し〝博多のメッシ〟の異名を持つ。背番号8。















