J1福岡のFWシャハブ・ザヘディ(29)が24日、雁の巣球技場で行われたチーム練習に再合流。5月に母国イランで治療を受けるため一時帰国して以来、約1か月半ぶりの実戦調整となった。

「1年ぐらい続いていたケガだったが、ようやくリハビリを始めたところでした」。長らく不調を抱えていたザヘディは、両側鼠径(そけい)ヘルニアと診断され、首都テヘランの病院で手術を受けた。

 術後は順調に回復していたが、滞在の終盤にイラン国内でイスラエルとの紛争が勃発。日常は一転して緊迫したものとなった。「戦争が始まってテヘランも標的にされて。実際、ロケットだったりミサイルが飛んできたりという状況もあって、自分も含めて多くの人が避難をせざるを得ない状況でした」と現地の様子を振り返る。

 再来日予定だった6月19日の便は欠航となり、出国日を前倒しすることに。「そこが飛ばなくなったので、移動する日を少し早めました」と説明。テヘランから車で12~13時間かけてトルコ国境へ向かい、越境後はタクシーでイスタンブールに向かい、そこから空路で日本へと戻った。

「東京に着いたのは20日の夜7時でした。その時間にはもう福岡行きの飛行機がなかったので、次の日に帰ってきました」と過酷な移動を明かした。

 現在、家族は生まれ故郷のマライアに避難している。「そこにもいくつかミサイルだったり攻撃はありましたけど、テヘランに比べると少ないところではあります」と心配そうに語る。

 困難な情勢の中でも福岡への帰還を決めた理由について「家族のことを考えると難しい部分もありましたけど、プロフェッショナルとして自分の仕事に専念したい。仕事にコミットしたいという気持ちがありました」と強い意志を示した。

「アビスパのファンの方たちからたくさんのメッセージをいただいて、本当に感謝しています。国が難しい状況の中で、自分のそばにいてくれたことを感謝したい」と支えてくれた人々への感謝も忘れなかった。

 最後に「イラン人として、イランだけでなく、世界中に平和が訪れるっていうことを願っています」と言葉に力を込めた。ケガと戦禍を乗り越えて戻ってきたストライカーが、再び福岡の攻撃陣をけん引する日も近い。