ドジャースの大谷翔平投手(30)とヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(33)。MLB界が誇る2大スーパースターは同じメーカーのバットで本塁打を量産している。そんな両雄が信頼を置くバットメーカーは「チャンドラー」。米スポーツ経済メディア「スポルティコ」が4日(日本時間5日)、同社の特集記事を掲載した。

 同社は2009年にペンシルベニア州ノリトンで設立されたが、17年に事実上倒産。その後、14、15年にホームランダービーを連覇しているキューバ出身のヨエニス・セステベス氏が同社に70万ドルを貸し付け、同社の資産を取得して再建に乗り出した。ただ20年はコロナ禍でシーズン短縮、21年はロックアウトなどがあり、同社のベン・チョイスCEOは「バットビジネスに参入するのは非常に困難な時期でした」と電話インタビューで語った。

 21年半ばには、いったん生産を停止したが、オーナーのセステベス氏は現役時代に稼いだ資金を注ぎ込み、経営改善に努めた。そして22年オフ、エンゼルスに所属していた大谷にカスタムバットを送り試してもらったという。
「ジャッジはキャリアの初めからチャンドラーと足並みをそろえている。大谷はジャッジの活躍に興味をそそられ、日本でテストし、2023年の試合でそれを披露した」(同メディア)。大谷は同年3月に開催されたWBCで試し、同年のシーズンから同社のバットを使用するに至ったという。

 大谷やジャッジが愛用することで知名度は徐々にアップし、現在はMLB選手のバット市場シェアで同社はビクタス(27・8パーセント)、マルッチ(20・4パーセント)、ルイビルスラッガー(15・2パーセント)に次ぎ10・4パーセントで4位。ノブ、ウエート、カップの深さ、カップの直径など選手のカスタマイズを満たすことに誇りを持っているという。

 今季は開幕から魚雷バットが大ブームとなったが、大谷は「今のバットにとても満足しています」と語り、ジャッジも「うまくいっているものがあるのに、なぜ何かを変えようとするのですか?」とバットを変更する意思がないことを強調している。チョイスCEOは「私たちは会社が多くの異なる移行や困難を経験してきたにもかかわらず、そのレベルの信頼を得ていることを光栄に思っています。私たちはそれを軽視していません」と、会社が窮地に立たされても信頼を寄せてくれた大谷やジャッジに深く感謝した。