黄金期の残像だけでは、もう勝てない。近年までポストシーズンの常連だったアストロズが、早くも岐路に立たされている。

 米スポーツ専門局「ESPN」電子版は22日(日本時間同日)、低迷するアストロズの進路として「現状維持」「ソフトリビルド」「全面解体」の3択をクローズアップした。2015年から25年まで9度のプレーオフ進出、7度のア・リーグ西地区制覇、2度のワールドシリーズ制覇を果たした強豪は、21日(同22日)時点で20勝31敗。地区4位で首位アスレチックスとは6・5ゲーム差、ワイルドカード圏内までも5ゲーム差に沈む。5月末とはいえ、得失点差マイナス56という数字は、安全圏どころか危険水域と言える。

 誤算の象徴が、昨オフに3年5400万ドルで獲得した今井達也投手(28)だ。西武から海を渡り、先発陣再建の柱として期待された右腕はここまで5登板で1勝2敗、防御率8・31、17回3分の1で21奪三振ながらWHIP1・79。奪三振力の片鱗は見せても、ローテーションを支えるどころか、チーム失速の要因として浮上している。

 もちろん不振の原因は今井だけではない。ホセ・アルトゥーベ内野手(36)の離脱、ジョシュ・ヘイダー投手(32)、ハンター・ブラウン投手(27)ら投手陣の故障、カルロス・コレア内野手(31)の長期離脱など、負傷者続出で戦力の土台は揺らいだ。ESPNは、それでも主力の多くが来季以降も契約下にあるため「現状維持」で巻き返しを狙う道は残ると指摘する。

 一方で、クリスチャン・ウォーカー内野手(35)、ヘイダー、ジェレミー・ペーニャ内野手(28)、アイザック・パレデス内野手(27)らを動かす「ソフトリビルド」、さらにはヨルダン・アルバレス外野手(28)やブラウンまで市場に出す「全面解体」にも踏み込んだ。

 問題は、かつての王朝の看板を守るのか、傷口を広げる前に売り手へ回るのかだ。今井の不振は、単なる新戦力の失敗にとどまらない。勝ちながら補強するはずだった球団設計そのものが狂い始めた証しでもある。

 アストロズはまだ5月と言い切るのか、それとも5月だからこそ壊すのか。トレード期限へ向け、かつての常勝軍団に冷酷な決断が迫っている。