2025年6月3日に亡くなった長嶋茂雄氏を偲び、同氏の第2次巨人監督時代を振り返った連載「ハダカの長嶋巨人」。常に話題の中心にいた「ミスター」を取り巻く人たちを含めた群像劇を、当時の東スポ巨人担当記者がつづります。
【ハダカの長嶋巨人#25・中畑清コーチの巻】
第2次長嶋巨人の打撃コーチを務めたのが中畑さん。今やDeNA監督のイメージが強いかもしれないが、その人柄はもちろん、昔も今も変わらない。サービス精神旺盛で、とても人間味のある中畑さんには、駆け出し記者の自分も、たいへんお世話になった。
当時は松井秀喜の入団直後ということで、打撃コーチの中畑さんには松井関連の取材が集中。自分の印象に残っているのは「松井、超大型スイッチヒッター転向か!?」という取材をしたときのことで、中畑さんはその可能性について大まじめに答えてくれた。
こんなこともあった。取材中にメモを取りながら話を聞いていると「話をしているときはメモを取るな!」と怒られた。入社1年目の当時は「えっ、ダメなの?」と驚いたが、おかげで人との会話をスムーズに進めるためには、必要なことなんだと理解できた。今の現場ではボイスレコーダーでの取材が主流となっているが、やはり目の前で録音されながらの会話でホンネが聞けるわけがない。人と人との対話を大事にする中畑さんには、基本的だけど大事なことを教わった。
巨人のユニホームを脱いでからも、巨人の監督問題が浮上するたび、自宅や電話で取材に応じてくれ「やりたい!」という気持ちをいつもストレートに打ち明けてくれた。結局〝万年候補〟のままで、巨人ではなくDeNAで監督をやることになったのだが…。DeNAであれだけファンに愛された中畑さんの監督ぶりには、巨人で再評価する声が上がったとも聞く。
現在の巨人には若い指揮官が就任したこともあり、当面、巨人に監督問題が起きることはないだろう。だが、どれだけ先かはわからないが、もし監督問題が起きたときには、また中畑さんのところに話を聞きに行きたいと思う。きっとまた「やりたい!」って言うだろうから。













