巨人が27日のDeNA戦(東京ドーム)に4―0で快勝。勝率5割復帰を果たすとともに、リーグ2位に浮上した。この試合で光り輝いたのは「7番・捕手」で先発出場した甲斐拓也捕手(32)の好リードだった。

 先発マウンドに立った山崎伊織投手(26)が相手左腕のケイと投手戦を展開。8回には4番手・大勢投手(25)が左脚をつりかけて緊急降板となるアクシデントにも見舞われたが、マスクをかぶった甲斐は計7人の投手とともにスコアボードに「0」を並べ、無失点リレーを完成させた。8回には〝甲斐キャノン発動〟で相手の二盗も阻止し、勝利に貢献した。

 阿部慎之助監督(46)も甲斐の好送球を「あれが大きいプレーだったね。あれで勝ったようなもの」と絶賛。甲斐本人は「共同作業なので。それよりも(遊撃手の)泉口のナイスタッチかなと思います」と、カバーに入った後輩をたたえながら謙遜した。

 勝利の立役者となったが、ここまでは苦しい日々が続いていた。交流戦ではスタメンマスクをかぶった全7試合で勝利を飾れず、長いトンネルにハマり込んだ。先発出場した試合での勝利は5月30日の中日戦(バンテリン)以来、約1か月ぶり。チーム関係者の1人は「彼の優しさと気遣いが報われた勝利だ」と評し、甲斐の〝人間像〟に関しても次のように打ち明ける。

「人一倍まじめで気を使うタイプの人間。チームメートだけでなくスタッフの誕生日なども把握して、その都度プレゼントを渡すなど全体に気を配っている。それもあって移籍後、すぐにチームに溶け込んだ。彼なりの細やかなコミュニケーション術があるからこそ、苦しい時期も絶対的な信頼は揺るがなかった」

 その証言通り、試合後の甲斐は「(山崎)伊織が本当にいい球を投げてくれたので。あとは伊織に聞いてください、お願いします」と最後まで黒子に徹し、後輩右腕を立てていた。暗中模索の状況は、この日を最後に自らの手で完全払拭したようだ。