一軍再昇格はイバラの道なのか。巨人・田中将大投手(36)が25日にDeNAとの二軍戦(ジャイアンツタウンスタジアム)に先発するも5回途中14安打6失点、0奪三振と炎上。登板後は「メリハリがなかったかな、という感じ。勝負球で厳しく行ききれていなかったし、相手のバランスを崩すことができていなかった」。日米通算200勝まで残り2勝としながら足踏みが続くベテランの現在地を、本紙評論家で球団OBの前田幸長氏(54)が解き明かした。

【前田幸長「直球勝負」】やっぱり厳しいものがある。直球は140キロ台後半が出るときもあるが、腕の振りが見た目以上にシャープじゃないという点は気になった。トップからリリースまでフォームのすべてがゆったりしている印象だから、打者からしたらタイミングが取りやすく、いい球を放っても二軍レベルの選手にもファウルで粘られてしまう。

 粘って粘って、最後に甘いところを打たれて安打にされる。だから三振もなかなか取れない。当然、三振がすべてではない。とはいえ、腕の振りがしっかりしていてボールにキレがあるかどうかで三振の数は変わるし、一種のバロメーターのようなものになる。田中将大ほどの実績ある選手だったら、このレベルの打者相手にはある程度の三振は奪ってほしい。

 198勝している投手を相手に78勝しかしていない自分が言うのは恐れ多い。だがプロ18年目を迎えている田中投手の気持ちは、現役を19年続けた自分にも少しは理解できているはず。球速を一気に速くするのは厳しい半面、フォームの修正やメカニックな部分は今からでも十分行える。

 自分も年齢を重ねてから試行錯誤してスタイルを変えたことで、結果的に選手寿命が延びた。久保コーチとともにいろいろとトライしていると思うが、現状を見るに何かを変えないといけない。恐らく本人も現状は厳しいことを分かっているはずだ。〝ニュー・タナカ〟にならないと二軍を抑えることも容易ではないだろう。

 その新たなスタイルを習得し、3試合連続で好投するくらいの好結果を残さなければ、一軍昇格のメドも立たず巨人の先発ローテには食い込めない。24勝した楽天時代から渡米後にスプリットやツーシーム、シンカーを駆使してスタイルチェンジしたヤンキース時代のように、巨人でまた新たな姿を見せてくれることを切に願っている。

(本紙評論家)