阪神が〝らしさ〟を取り戻した。10日のDeNA戦(甲子園)に3―0で零封勝ち。試合後の藤川球児監督(45)が何度も口にしたのは「タイガースらしいゲーム」という言葉だった。

 投げては7回無失点の才木から岩崎、ドリスと無失点リレーで得点は才木のスクイズ、佐藤の10号ソロ、そして代打・嶋村麟士朗捕手(22)のプロ初適時打と堅実な試合運び。カード3連敗を阻止し、母の日の白星に花を添えた。

代打でプロ初の適時打を放った嶋村麟士朗
代打でプロ初の適時打を放った嶋村麟士朗

 特に指揮官が目を細めたの嶋村の一打だった。2点リードの7回一死二塁の場面で才木に代わって出場。相手2番手・宮城に対してカウント2―2まで粘り、8球目の外角151キロ直球を中前に運んだ。これでリードを3点に広げ、心理的にも余裕ができた。「自分の仕事をするだけ。タイムリーになってくれてよかった。与えられた1打席1打席を内容の濃いものに。やっぱり結果が出るのが、次も使ってくれる要因になると思うので、そのために自分も毎日考えながら練習をしています」。今季、支配下登録を勝ち取った2年目の若虎がプロ初タイムリーをかみ締めた。

 藤川監督は「技術をさらに磨きながらですけど、これからが大事。ずっとみんな現役でいるわけだから、これからが大事だと思いますね」と言及。続けて「地味に見えるようなゲーム展開を、いかにきっちりやれていくか。それがタイガースらしいというところでもありますから」と少ないチャンスを生かして勝ち切ったナインをたたえた。

 セ・リーグ連覇を目指す阪神は開幕直後こそ5カード連続で勝ち越す好スタートを切ったが、最近は投手陣が打ち込まれるケースも目立った。それでも、この日の勝利は先発が試合をつくり、4番が警戒網をかいくぐっての一発、さらに途中出場の嶋村が貴重な追加点をもぎ取る相手を追い詰めるような勝ち方が戻ってきた。

 派手な打ち合いでも、一方的な勝利でもない。ただ、こういう試合をきっちり拾えることに今の阪神の強さがある。2カード連続の負け越しとはいえ、3連戦の最後を勝利で締めくくり、次戦は12日のヤクルト戦(神宮)。藤川監督が言う「タイガースらしいゲーム」を重ねられるだろうか。