第97回選抜高校野球大会は30日に甲子園で決勝戦が行われ、横浜(神奈川)が智弁和歌山に11―4と大勝し、19年ぶり4度目となる紫紺の大旗を手にした。悲願達成の裏には高齢となった現在も現場に足を運び、ナインからも慕われる名将の存在があった。
6回に打者一巡の集中打で一挙6得点するなど、13安打の猛攻で相手投手陣を沈めた。投げては織田(2年)が6回途中1失点の好投。村田監督は「この子たちと勝ったことがうれしい。応援されるチームをつくることでやってきた。負けていろんなこと言われたけど、5年目で甲子園にやってこれた」と感慨深げに話し「まだまだ終わりじゃない。春の県大会に向け、夏に向けてやっていく」と誓った。
勝利の裏には一時代を築いた元監督の渡辺元智氏(80)の存在が大きかった。1968年から2015年まで同校を率い、98年に松坂大輔を擁して春夏連覇。97年秋から公式戦44連勝するなど無敵の時代を築き、通算27度の甲子園出場で春3度、夏2度の優勝を果たした名将だ。渡辺氏は高齢ながらも時折グラウンドに足を運び、まな弟子の村田監督だけでなく、選手にアドバイスを送り続けた。
「人生の勝利者になれ」「練習では自分がヘタ、試合は自分が一番うまいと思え」「負けない野球をすることだ」。決勝前日もナインを激励し、この日もスタンドから見守っていた。
村田監督は「渡辺さんの言葉を基本としながら、それを進化させてやっています。困った時に支えてもらっています」と恐縮しきりだが、ナインは親しみを込めて「元(げん)さん」と呼んでいる。名将を前にしても緊張することなく、ある選手は「来てくれたらホッとします。おじいちゃんと孫みたいな関係なので何でも話せる。監督は緊張するようですけど、僕らは距離が近い。もっと来てほしい。いい報告ができる」と笑顔を見せる。
最高の〝おじいちゃん孝行〟ができたが「目標は夏。そして『元さん』が作った黄金時代をもう1回僕らがつくること。〝横浜1強〟のスローガンで〝全国1強〟を目指したい」とナインは声をそろえた。











