第97回選抜高校野球大会は30日、横浜(神奈川)と智弁和歌山の東西の強豪による決勝戦を迎える。熱戦が続いた今大会は剛速球投手、変則フォームの個性派など好投手の活躍が目立ったが、そんな中で大阪桐蔭OBで高校野球YouTuber「田端ブラザーズ」の田端良基氏が〝センバツ投手4傑〟を厳選。秋からの成長度、ポテンシャル、課題点も含めて独自の視点で分析した。ナンバー1に推したのは…。

 1:山梨学院・菰田陽生(2年)

 194センチ、98キロの〝二刀流の大器〟と注目度の高かった菰田は西日本短大付(福岡)との2回戦で4番手として登板。6点を追う劣勢ながら3イニングを無安打無失点に抑え、最速152キロを計測してスタンドを沸かせた。打者としても「3番・一塁」でスタメン出場し、2試合で3安打を放った。

 衝撃的な甲子園デビューに田端氏は「現時点では大谷翔平(ドジャース)を超えています。入学時には133キロしか出なかったのに、大会前に146、甲子園で152に伸びたのがスゴい。ほぼストレートで抑えられる投手はいない。角度もあるので、一番手に推奨します。同じ時期の大谷選手は150出ないくらいだった。打撃も練習ではもっとエグいんです。変化球の対応がまだまだだけど、捉えた時の力はすごいものがある」と絶賛。2回戦で姿を消したが「今のまま伸びていけば、160キロくらい投げられる。今の時点で大谷選手より上なんで、将来も大谷クラスになれる。素質が抜けている」と期待した。

横浜の決勝進出に貢献した織田翔希
横浜の決勝進出に貢献した織田翔希

 2:横浜・織田翔希(2年)

 こちらも最速152キロの剛球を武器とし、カーブ、チェンジアップとの緩急も持ち味。リリーフの奥村頼(3年)との継投で、秋から春へと無敵の快進撃を続けた。健大高崎との準決勝は7回無失点の快投を見せ「秋からの成長度がエグいですし、打者がまともに捉えられていない。来年にもっと期待できる。球の速さだけでなく、インコースへの投げ分けもできるし、考えて投げることができる。それは健大高崎にハマった」と投球術も持ち合わせているという。

初戦敗退となった明徳義塾の池崎安侍朗だが…
初戦敗退となった明徳義塾の池崎安侍朗だが…

 3:明徳義塾・池崎安侍朗(3年)

 健大高崎(群馬)との初戦は延長10回タイブレークまで投げ抜き、6安打3失点。敗れたとはいえ、138球をわずか1四球の好投だった。「コントロールが抜群。10回投げても平均球速が落ちなかったし、スタミナもある。最大の評価をしている。コントロール系なんで、菰田くん、織田くんとは違うタイプでトータル的に優れている。下級生から投げてきていて経験値があるし、対打者にしっかり投げられている。打者の心理を読んで投球する駆け引き、クレバーさがある」と完成度が高いと見ている。

今大会で一躍、注目された浦和実・石戸颯汰
今大会で一躍、注目された浦和実・石戸颯汰

 4:浦和実・石戸颯汰(3年)

 右足を顔の近くまで上げ、球の出どころが見えにくい変則フォームで打者を翻ろう。準決勝で智弁和歌山に捉えられたが、3試合で18イング無失点の快投を続けた。「ちゃんとインコースに投げ分けている時は120キロ前半でも打者が詰まる。甘くなると打たれる。フォームに惑わされないように思っていても、打者は見ちゃうんですよね。こういうタイプの投手が増えると面白い。あのフォームを自分で考えたなんてすごいです」と関心しきり。その一方で「ただ研究はされます。セットポジションになると、足を高く上げない。走者がいる時は自分のフォームでも、セットの時は球速も落ちていると思う」と課題も指摘した。

158キロの健大高崎・石垣元気は…
158キロの健大高崎・石垣元気は…

 ちなみに花巻東を相手にセンバツ最速の155キロをマークした健大高崎のプロ注目右腕・石垣元気(3年)は〝4傑〟から漏れた。田端氏は「全部腰のラインに来ているし、狙われたら打たれますよ。低めのまっすぐはないし、秋から成長がない。秋に158キロ投げているので、そこまでの衝撃がなかったかな。まっすぐを張られるのでカットボールとか、まっすぐ系の変化球が必要です」と忠告を忘れなかった。