巨人の春季キャンプが25日に全日程を終了し、阿部慎之助監督(45)ら一軍メンバーがキャンプ地の沖縄・那覇から帰京した。リーグ連覇と13年ぶりの日本一奪回へ、レギュラーの座を狙う若手選手たちの戦いは今後も続くが、厳しいキャンプでも故障者はゼロ。ヤングGたちが躍動できた背景には、若武者たちの心を巧みにくすぐる〝ツンデレ術〟があった。
実り多き春だった。首脳陣が危惧するのは、構想に狂いが生じる選手たちの故障だ。しかし、今年は1次キャンプの宮崎、独自調整が認められた「S班」も含めた一軍メンバーから離脱者を出すことなく完走した。
恒例の手締めでひと区切りつけた阿部監督も「ケガ人がいなかったということで、すごくいいキャンプだったと思います」と手応えを口にし「キャンプでも素晴らしい競争をしているので、オープン戦でも引き続きチーム内でいい競争をしてもらって、開幕を迎えられるようにしたいなと思います」とさらなる激化を期待した。
すでにオープン戦に突入し、開幕一軍に向けたサバイバルは後半戦。打ち上げとともに野手陣では佐々木と萩尾、山瀬、投手陣では西舘と又木の計5選手の二軍降格を決めた。それでも沖縄キャンプに移動する際、入れ替えが一人も行われなかったほど順調で、例年以上にハイレベルな争いとなっていることは確かだ。
そうした環境づくりには、〝慎之助流コミュニケーション術〟がひと役買っていた。
若手選手の一人は「基本的には武骨で感情を表情に出さないタイプの方だから、出会った当初は『とっつきにくい方なのかな…』と思ったりもしました」と告白。阿部監督は日本球界の指揮官としては若い部類に入るが、入団間もない選手たちからすれば、親子ほども年齢が離れている。ましてや、現役時代は捕手でありながら屈指の強打者で、主将としてチームを何度も栄光に導いてきた。それだけに軽々しく話し掛けられるわけもなく、ヤングGたちが身構えてしまうのも無理はなかった。ところが…。
「実は違って。自分に与えられた課題をクリアした時には、ニコニコしながら近づいてきて『やればできるじゃねえか!』て褒めてくれて。普段とのギャップもあって、めちゃくちゃうれしくなりましたね」(前出の選手)
阿部監督も、自身がやや近寄りがたいキャラクターであることは自認している。「俺は漁師町生まれ(千葉県浦安市)だから言葉が荒くなる」と話したこともあり、自他ともに認める「べらんめえ口調」が特徴だ。そんなちょっと怖そうな阿部監督に満面の笑みで褒められれば〝ギャップ萌え〟するのも当然かもしれない。
すっかりハートをつかまれ、モチベーションも上がっているGナイン。結果や内容はシビアに判断されるが、3月28日の開幕戦に向けて競争はますますヒートアップしていきそうだ。












