【取材の裏側 現場ノート】新たな形の駅伝は大きな可能性を秘めている――。先日16日に行われた陸上の全国大学対校男女混合駅伝(大阪・長居公園内特設コース)は、男女が交互にタスキをつなぐ世界唯一の大学駅伝。5回目を迎えた今大会は、関東勢以外の大学も出場し、日体大が2年ぶり2度目の優勝、初出場の大東大が2位、前回大会覇者の順大が3位に入った。

 男子中長距離界は箱根駅伝への出場が可能な関東勢が圧倒的な強さを誇る一方、女子中長距離界は関東勢以外の大学も数々の歴史を彩ってきた。全日本大学女子駅伝の連覇記録は中部勢の名城大による7連覇が最高で、関西勢の立命館大が5連覇、京産大も4連覇を果たすなど、全国の大学が高いレベルで切磋琢磨。勢力図が異なる男女が団結するため、関西勢の関大が6位、京産大も8位と上位に食い込んだ。

 しかし、女子中長距離界にスポットライトが当たる機会が少ないのが現状だ。注目を集めるのは箱根駅伝という一大コンテンツを持つ男子中長距離界だが、混合駅伝は女子中長距離界にとってもビッグチャンス。今年は関西圏だけでなく、関東圏でもテレビ中継が実現して話題となった。

 さらに同じ中長距離種目に取り組む戦友同士の共闘は、選手たちの刺激にもなっている。男女ともに全国クラスの実力を持つ大東大の女子をけん引する野田真理耶(2年)は「今まで男女であまり関わりがなかったけど、本当にいい経験になった。これから男女で駅伝に向けて意識を高め合って、優勝目指して頑張っていきたい」と口にした。

 混合駅伝を中継する関西テレビ(フジテレビ系)は、長年大阪国際女子マラソンの中継にも携わってきた。女子中長距離界の発展に尽力してきたからこそ、ある大会関係者は「将来的には全国での展開を目指している」とさらなる普及活動に意欲的。画期的な駅伝は、女子中長距離界の未来を変える力を持っている。(五輪競技担当・中西崇太)