1年3か月に及ぶ愛憎劇がついに決着した。16日に放送された米国・AEWの「AEWグランドスラム」(オーストラリア・ブリスベン)で、〝タイムレス〟トニー・ストーム(29)が、宿敵の〝ザ・グラマー〟マライア・メイ(26)を破り、AEW世界女子王座を奪還した。

 2023年11月から始まったトニーとマライアのドロドロの〝愛憎劇〟は、女子プロレス「スターダム」の白川未奈を交えて複雑な三角関係にまで発展した。だが従順だったマライアが、トニーを裏切り悪の道に転身。昨年8月に地元の英ロンドンで行われた「ALL IN」で、トニーから世界王座を奪った。

 敗れたトニーはスターダム参戦を挟み、12月にAEWマットに復帰。〝タイムレス〟から一転、「ロックスター」にキャラ変してマライアへの挑戦権を勝ち取った。王座奪回へトニーは再びマリリン・モンロー風の時代を超えた〝タイムレス〟に戻り、マライアとの抗争を再開していた。

 決着戦の舞台はトニーが育った地、オーストラリアだ。ケニー・オメガ&ウィル・オスプレイやオカダ・カズチカの試合を差し置き、世界女子王座戦がメインイベント。地元の大声援を受け、トニーは序盤からフライングボディーシザーズからマウントパンチ、ジャーマンスープレックス6連発の猛攻を見せた。

マライア・メイ(左)をエプロンから場外に投げようとするトニー・ストーム(©All Elite Wrestling)
マライア・メイ(左)をエプロンから場外に投げようとするトニー・ストーム(©All Elite Wrestling)

 ところがエプロンから狙ったジャーマンが不発に終わると、王者から強烈な反撃をくらってしまう。場外ではメイ・デー(変型ドライバー)で叩きつけられ、リング内ではミサイルキックをぶち込まれた。トニーは必殺のストームゼロ(変型パイルドライバー)を放つが、3カウントを奪えない。逆に王者にメイ・デー連発で叩きつけられ、窮地に追い込まれた。

 調子に乗ったマライアは、コーナー上でトニーの額に熱いキス。だがトニーは、冷静にランニングパワーボムで切り返し、再度のストームゼロ。これは場外に逃れられたが、王者のストームゼロをしのぐと、メイ・デーをかわしてクルリと丸め込んだ。一瞬の切り返しが決まって、3カウントを奪った。

 新王者は長きにわたった遺恨に決着をつけ、〝ザ・グラマー〟の天下を174日で終わらせてみせた。同王座は4度目の戴冠で、3度で並んでいた志田光を抜き史上最多となり、再びAEW女子の頂点に立った。