第96回選抜高校野球大会の決勝戦が31日に甲子園で行われ、健大高崎(群馬)が報徳学園(兵庫)を3―2で下し、初優勝を飾った。2―2の同点から3回に高山の適時打で勝ち越し、最後はエース左腕の佐藤(2年)が反撃を封じて勝どきを上げた。

 群馬県勢で初の頂点に立った青柳監督は「選手が一戦一戦力をつけた。いろんな方々にありがとうの言葉しかない。23年前に創部していろんな方々の支援を受けた。OBの方々の顔が浮かんで涙が出た。自分1人ではできない。高崎から甲子園へ、というスローガンでやってきた。感謝しかない」と言葉を詰まらせた。

 会社勤めを経て同校の教員となり、野球〝愛好会〟で指導を始め、2002年の創部と同時に監督に就任。厳しい練習環境の中で苦労を重ね、スカウティングを強化。走力を生かした「機動破壊」を掲げて甲子園常連校にまで成長させた。

 10年間のサラリーマン経験を生かし、チームを会社組織としてマネジメントしている。担当コーチ、スカウト、トレーナーを含めて約10人のコーチがおり、分業制で指導を任せる。選手間のことは主将の箱山(3年)に一任。そのため直接の指導は少なく、俯瞰して全体を見守るスタンスだ。

 当然〝社長〟の立場となるが「自分が全部やるんじゃなくて会社のような形でやる。意見を聞きながら持ち場持ち場で任せる。私は社長までいかない。部長ですよ」と笑い「サラリーマンで組織的なことをやってきた。製造業なら仕入れ、スカウトですよね。生産する現場がある。うまく人を配置してやっていくことを目指した」という。一定の距離感を保ちながらもナインは「監督は機動破壊を作ってきた人。信じていけば負けない。いつも見守ってくれている安心感がある」と信頼は揺るぎない。

 頂点までたどり着き「センバツ優勝しても夏の保証はない。この瞬間から切り替えて夏に向かう。この財産が大きな力になる」と指揮官。〝社長〟として新たな頂点を目指す。