昨季、38年ぶりの日本一に輝いた阪神がまさかの〝低迷〟だ。オープン戦を3勝14敗1分けで終え、ぶっちぎりの最下位。連覇への期待がインフレ状態となっている虎党からは「アレンパ(連覇)ホンマに大丈夫かいな?」と疑心暗鬼の声が続々と上がっている。

 ただ、そんな状況でも岡田彰布監督(66)は「そんなん関係あらへん」と全く動じない。これは虚勢でもなければ強がりでもない。虎の指揮官は2024年の戦いに確固たるビジョンを持っている。その根拠となるのは前回、連覇を逃した06年の経験があるからにほかならない。

 球団初の連覇とよく表現されるが、岡田監督にとっては今回で3度目のチャレンジとなる。1度目は現役時代の1986年、2度目は第1次岡田政権で優勝した翌06年。そして今季が3度目の正直となる。

 特に06年の阪神は84勝を挙げながらリーグ2位。岡田監督はこれ以降、何年にもわたり数々のシチュエーションで「あの年は84勝しても優勝でけへんかったんよ」と悔しさをにじませてきた。

 同年のセ・リーグを制したのは87勝を収めた落合ドラゴンズだった。8月には中日にマジック40が点灯したが、猛虎は9月に17勝4敗と猛追。しかし、9月16日に中日・山本昌にノーヒットノーランを喫した試合が象徴するように直接対決で勝てなかった。ナゴヤドーム(現バンテリン)で1勝10敗と大きく水をあけられ、年間でも7勝14敗と負け越した。

 ある阪神OBは言う。

「勝負師は総じて負けず嫌いなんだけど、岡田さんも相当やもんね。前回、阪神を率いていた当時は酒席で『俺は野球でもゴルフでもボウリングでも落合さんに負けへん』と対抗心をむき出しにしてましたもんね」

 06年のチーム防御率3・13の阪神と3・10の中日は互角だった。チーム打率も阪神の2割6分7厘と中日の2割7分は僅差。ただ、首位打者の中日・福留、本塁打と打点で2冠王のウッズが〝確変〟し、72得点差をつけられた。一方の阪神の主軸だった金本、今岡の成績が前年比で下降した印象は否めなかった。

 当時の戒めではないが、岡田監督は「現状のままでは勝てんよ」と口を酸っぱくしている。現有戦力でもバランスが取れたオーダーを組めるが、何が起きるかは分からない。そのため、本当の意味での新戦力候補を作る必要がある。それが投手では門別、岡留らであり、野手では前川が該当する。

 岡田監督にとっては18年ぶり3度目の挑戦となるリーグ連覇へ。本番ではオープン戦とは全く異なる野球を見せてくれることを全虎党が期待している。