【取材の裏側 現場ノート】阪神は17日の中日戦(バンテリン)に0―4と完封負け。オープン戦の成績は1勝11敗1分けで当然ながら12球団ぶっちぎりの最下位だ。昨季のチャンピオンチームの勝率はまさかの0割8分3厘。2年前の公式戦開幕直後の〝虎ウマ〟を思い出した虎党たちも多いのではないだろうか。
とはいえ、これはたかがオープン戦。目先の勝敗は度外視し、選手個々の状態や適性を可能な限り見極めるための助走期間だ。盗塁などのサインは今カードから解禁したものの、岡田彰布監督(66)の采配や起用をみれば〝真剣勝負モード〟とはまだまだ程遠い、と生意気ながらも個人的にはそう考える。
ところがこの日の試合後、虎指揮官は恒例の監督囲みを今年初めて拒否。球団関係者は「『ウソ書くからしゃべらん』と言っていました」と説明した。
思い当たる節があるとすれば、佐藤輝明内野手(25)の一件だろうか。打率1割2分8厘と低調だった背番号8を前日16日のカード第2戦でスタメンから外したことが、一部で大きく報道されていた。同戦では森下、木浪ら他の主力野手も欠場。単なる休養か、あるいは控え選手に打席数を与えるための配慮だったのかもしれない。
改めて痛感するのは、佐藤輝の存在感の大きさだ。この日のカード第3戦では打率0割9分1厘と佐藤輝以上の不振に陥っている中野が完全欠場。だが、スタメン表を見て胸をザワつかせる虎党や虎番記者は私も含め、ほとんどいなかったのでは。「ああ、今日は中野出ないのね。代わりに高寺か。この時期にチャンスもらえて期待されてるんやな」といったように――。
入団1年目から盗塁王と新人特別賞のタイトルを獲得し、昨春のWBCにも出場した中野は、言うまでもなく虎の看板一流選手。ドラフト同期の佐藤輝と比較しても同格かそれ以上と表現しても差し支えないだろう。にもかかわらずメディアもファンも佐藤輝の〝現状〟からどうしても目が離せない。
オープン戦でちょっと打てない程度で大騒ぎしてしまい、打ったら打ったで「シーズン本番までとっておいてや」と不安になる。ここまで〝華がある〟タテジマ選手は、虎のプリンスとうたわれた新庄剛志(現日本ハム監督)以来ではないだろうか――。(阪神担当・雨宮弘昌)












