球団史上初となる連覇を狙う阪神は27日に沖縄・宜野座での春季キャンプを打ち上げた。虎指揮官2年目となる岡田彰布監督(66)の新たな戦いも、間もなく始まろうとしている。卓越した戦術で12球団の頂点に立った老将だが、今年も「岡田革命」のスピードを緩めるつもりは毛頭ない。

 鍛錬の春を乗り越えたナインたちを「去年よりひと回り大きなチームになった」と称賛した岡田監督は「あまり言うこともないので、選手に任せた1か月になった」と全幅の信頼を示した。投手陣からは大卒3年目の救援右腕・岡留、野手陣からは高卒3年目外野手の前川をそれぞれMVPとして指名。若手の成長にも確かな手応えを感じている。

 昨季の岡田野球を語る上で欠かせないのは2022年の「379」から「529」まで激増した四球数だ。開幕直前にフロント担当者に「四球の査定ポイントを上げてやってくれ」と直談判したことが奏功し、慢性的な課題だった得点力不足は一気に改善。12球団トップとなる555得点をマークする大きな助けとなった。

 データ分析機器の飛躍的な発達に加え、投手たちのトレーニング方法も大きく進化し、今やNPBは「投高打低」の傾向が顕著となっている。昨季のセ・リーグで打率3割に到達した打者は3選手のみ。メジャー経験豊富な新助っ人たちも日本球界のハイレベルな投手たちを打ちあぐね、思うような成績を残せないケースが多く見られる。

 そんな中、岡田監督が発した「四球を選べ」の大号令は、投高打低の激流にあらがう画期的な手段として機能。昨オフには12球団最低のチーム総得点「390」と貧打に苦しんだ中日のエース左腕・大野も、契約更改の場で「中日にも〝四球査定〟を導入してほしい」と追随するように声を上げ、立浪監督も前向きな姿勢を示していた。

 だが岡田監督はこのような動きを実は余裕たっぷりに一蹴していたことは知られていない。

「そらオマエ、二番煎じはアカンわ。通用せえへんよ」と言い「四球を選ぶのも、ある程度選手の力がなければ無理やん。追い込まれたら三振ばっかするヤツ、いっぱいおるやろ」。

 さらに別の機会には「今年はひょっとしたら他球団もウチのこと警戒してな、歩かせてくれんようになるかも分からんで」と先を読み切ったようにニヤリ。「まあ別にええわ。そしたら逆に早いカウントから甘いボールをどんどん打ちにいかせるからな」と今季もライバル5球団を出し抜く策を巡らせている。

 第1次政権時は最強のリリーフユニット「JFK」を確立し、投手分業制の流れに大きな影響を与えた岡田監督。2024年はどのような「革命」を示すのだろうか。