完全復活へ青信号だ。巨人・菅野智之投手(34)が宮崎での春季キャンプで反撃のノロシを上げている。昨季は自己ワーストとなる4勝にとどまったが、調整ぶりを見届けた本紙評論家の得津高宏氏は昭和を代表するレジェンドの名前を引き合いに「復活間違いなし」の太鼓判を押した。

 菅野が覚悟のプロ12年目を迎えている。キャンプ初日となった1日には一番乗りでブルペン入り。実績十分ながら成績不振もあって「僕はアピールしないといけない立場なので」と謙虚な姿勢を貫き、ここまで連日ブルペンで熱投を続けている。

 昨季は故障や再調整などでキャリア最少となる14試合の登板。4勝8敗、防御率3・36という本人には屈辱的な成績に終わった。その悔しさを晴らすべく、オフにはハワイで行った自主トレで徹底的に走り込みを行うなど肉体強化に着手。虎視眈々と逆襲の機会をうかがっている。

 開幕までおよそ1か月半。キャンプ地を訪れて現状をチェックした得津氏は、菅野が行っていた「遠投」から復活の兆しを感じ取ったという。

「キャッチボールの際、菅野は100メートルほど離れた距離でも軽々と遠投していました。それに球もしっかりと伸びていましたし、あれは下半身の粘り強さがしっかりしていて足腰が使えていることの証しでもあります」

 その言葉通り、菅野はブルペン捕手を相手に約100メートルの距離で遠投を繰り返した。菅野はノーバウンドで軽々と放るものの、返球する側はひと苦労。中間地点に中継役を置かなければなかなかノーバウンドでは届かない距離だったが、菅野が投げる球は面白いようにミットに吸い込まれていった。

 この「下半身の粘り強さ」に、得津氏はあのレジェンド投手たちの姿をダブらせた。

「私たちが現役の時もそうでしたけど、遠投しない選手は足腰が使えないんですよ。金田(正一=故人)さんが指導者の時なんかは『下半身を使って投げろ』と言って、ものすごく遠投をさせられたんですよ。村田兆治(故人)にしたって足腰がしっかり使えていた投手だからあれだけ長く活躍できたんですから」

 昭和を代表する大投手たちが鍛え上げて手にしていた「下半身の粘り強さ」。この武器を手にした菅野は再び輝きを取り戻せるのか。