新日本プロレスのザック・セイバーJr.(36)が、日本プロレス界のあり方について自身の考えを明かした。

 ザックは11日大阪大会でブライアン・ダニエルソン(AEW)との一騎打ちに臨む。「世界一のテクニカルレスラー」を決める大一番へ「これまでのキャリアで最も重要な試合と言っても過言ではない」と闘志を燃やしている。

 新日本はこれまで頂点に君臨してきたオカダ・カズチカとウィル・オスプレイが退団。過渡期に突入する中、ザックは新リーダーに名乗りを上げている。

 世界最大団体のWWEに加え、2019年にAEWが旗揚げされると、日本で活躍したトップレスラーが主戦場を米国に移すケースが一気に増加した。これについてザックは「サッカー選手がイングランドのプレミアリーグからスペインのリーガ・エスパニョーラに移籍するように、新しい環境に移りたいというのは珍しいことではない。米国は世界最大の経済大国であり、プロレス界のリーダーでもある。レスラーがそこに行きたがるのはおかしなことじゃない。必ずそうなる。ごく普通のことだ。俳優がハリウッドに行きたがるようなものだ」と分析する。

 さらにザックは「日米のプロレス文化で違うのは、米国はテレビ番組が中心で、日本は巡業を中心としたスポーツ会社だということだ」と指摘。「だからテレビ・レスラーになりたいプロレスラーは、いつでも米国での活躍を望むだろう。しかし、私たち(日本のプロレス)は、できる限りスポーツに忠実なイベントを続けなければならない。そして、新しいスターをつくるためにプロレス以外のテレビ番組も利用しなければならない」と持論を展開した。

 現在のWWEやAEWと新日本の規模を比較すれば、水をあけられてしまった感は否めない。しかし、ザックは「私たちが新日本でやらなければならないことは、自分たちがやっていることがベストであることを再確認することだ。2024年の新日本は、もちろん(旗揚げした)1972年の新日本よりもモダンに見えるべきだし、感じられるべきだけど、ルーツから完全に離れてはいけない。アメリカナイズされ過ぎないように注意する必要がある」と、米国のマット界には迎合しない姿勢が重要だと強調する。

 理由については「考えてみてほしい。なぜファンは、米国のプロレスだけを見ようとしないのか? 私が10代の頃に夢中になったのは、日本のプロレスがプロレスに敬意と品格を持って接していたからであり、西洋のプロレスに抱いていたような恥ずかしさではなく、プロレスファンであることを誇りに思えたからだ」と説明した。

 そこでザックが期待を寄せているのが、今年1月に設立されたアジア太平洋プロレス連盟(APFW)の存在だ。「3月にはタイで試合をするし、今年中にすべての提携国に行くのが目標だ。私はアジア大陸で新日本を代表するパーフェクトな人間だと思うし、企業間の関係を強固なものにしたい。そして新日本のアジア進出の最前線に立ちたい。新日本はWWEよりもアジア最大のプロレス会社になるべきだし、なれるはずだ」と力説した。

 かねてザックは新日本がアジア進出に力を入れるべきだと主張してきたという。「J―POP、アニメ、マンガはすでにアジアの他の地域に輸出され、文化をリードしている。プロレスもまったく同じであるべきだ。日本のプロレスには言語の翻訳は必要ない。なぜなら、私たちはリングと試合を通して自分たちのストーリーを伝えている。新日本は国内では最強だが、これからは全大陸で業界のリーダーになる時だ」と、今後の可能性に目を輝かせていた。