獣神サンダー・ライガーが気になる話題やプロレス観を語る「獣神激論」。今回のテーマは1月限りで新日本プロレスを退団したオカダ・カズチカだ。2007年にオカダを、在籍していたメキシコ・闘龍門から新日本プロレス入門に導いたライガーは、レインメーカーの新たな挑戦をどう見るのか。そしてオカダが抜けた新日本に期待することとは――。
【ライガーが語る獣神激論(34)】オカダ選手が1月限りで新日本を退団しました。僕個人の考えで言えば、海外で自分の可能性を試すのはいいと思うし、彼の決断には賛成ですね。
これからプロレスラーがもっと大きく羽ばたこうと思ったら、やっぱり米国は本場だし、主戦場にした方が稼ぎもいいしね。プロの評価ってなんなのよって言ったら結局ギャラなんです。野球の大谷(翔平)選手もすごい金額を提示されてたじゃないですか。これからオカダ選手がどこに行くのか…WWEかAEWになるんじゃないかと予測して言いますけど、1ドルでもギャラの高い方と契約した方がいいと思う。
今WWEには中邑真輔が行ってますけど、向こうで「知ってる日本人の名前」を聞いたら総理大臣より多いと思うよ。そのくらいの選手なんだよ、中邑真輔は。オカダ・カズチカはそれを脅かす、超える存在になり得ると思うんだよ。レスラーになりたくてメキシコに渡った少年が新日本プロレスに入って、さまざまな記録を打ち立てて、そして世界に羽ばたこうとしている。こんなドリームないよ。本当に心から頑張ってほしい。
野球選手もどんどんメジャーに挑戦してるし、今はそういう時代の流れになってるよね。(アントニオ)猪木さんは「川は何本にも分かれるけど、最終的には海に出る」と言っていた。新日本に残ろうが海外に出ようが、頂点を目指していたら行きつくところは一緒ということなんじゃないかな。「別れ」だと思ってらっしゃるファンの方もいるかもしれないんだけど、これは彼らの成長の過程なんだから悲しむことなんてない。また日本でファイトする日もあるだろうし、より大きくなったオカダ・カズチカを期待して待っているのがいいんじゃないかな。
逆に残ったメンバーは、オカダ選手がいなくなってつまらなくなったなんて言われたら負けだからね。大きな穴が空いたところに飛び込めるチャンスなんだよ、これは。今まで以上に燃え上がる戦いが見れると思うよ。それこそが新日本プロレスだし、だから何も心配もしてないんだよね。
僕が見たところだと今の新世代(海野翔太、成田蓮、辻陽太、上村優也)は横一列で、飛び抜けた選手はいない。でも1984年の大量離脱のころも、武藤(敬司)、蝶野(正洋)、橋本(真也)というのは一人じゃダメだったと思うよ。「闘魂三銃士」とそれぞれが思うように動いたからすごいものが生まれた。今回も彼らが競い合って、新しい新日本プロレスを打ち出せていければ、おのずとファンがオカダ選手の後継者を生み出してくれるんじゃないかな。
そんな中で迎える11日大阪大会のメインは金網マッチで、出場する10人が全員外国人選手なんだよね。セミもザック・セイバーJr.とブライアン・ダニエルソンの外国人対決で、かろうじてセミ前のIWGPタッグ戦でKENTA選手が入っているけど、彼も生活拠点は米国の選手だし、後ろ3つに新日本の日本人の名前がないんだよ。
僕は「キング・オブ・スポーツ」をうたう新日本プロレスで育った古い人間だから、それはどうなんだろうという思いはある。退団したカズチカが残り少ない試合の中で棚橋(弘至)選手とシングル(※全8試合の第5試合)をやるんだったら、メインがいいんじゃないかなあ…。それを見たファンの方も目頭が熱くなると思うんだけど、そういうことを言うのは古いのかなあ…。こっちの時代の流れに関しては、ぶっちゃけ寂しいなって気持ちがありますね。












