〝一騎打ち〟の行方は? パリ五輪代表選考レースの最終戦となった卓球の全日本選手権最終日(28日、東京体育館)の女子シングルスは、早田ひな(23=日本生命)が張本美和(15=木下アカデミー)を4―0で下し、2年連続3度目の優勝を飾った。約2年におよぶ戦いは幕を閉じたが、団体要員となる3枠目の選考に注目が集まる。張本と伊藤美誠(23=スターツ)の争いとなる中、〝若き力〟への期待も高まっている。

 代表選考レースは今大会で全日程終了。シングルス代表は早田と平野美宇(木下グループ)が手中に収めた。団体要員の3枠目は、これまでのシングルスの戦いぶりとダブルスの相性を踏まえ、日本協会の強化本部による推薦で決定。代表選考レースの順位やこれまでの実績を踏まえると、早田や平野とのダブルス経験を豊富に持つ代表選考レース3位の伊藤が有力視される。

 ところが、今大会は6回戦でまさかの敗退。シングルスでの代表入りを逃し、26日の会見では「団体戦に選出されても、出るかどうかはっきり決まってない」と複雑な心境を口にしていた。ただ、女子日本代表の渡辺武弘監督は「五輪で一番勝てる選手に出てもらいたい」と伊藤の意向を確認する予定はないという。

 一方の張本は準々決勝で木原美悠(木下グループ)に4―0、準決勝でも横井咲桜(ミキハウス)に4―0で快勝。早田との決勝戦は0―4で敗れたものの、代表選考レース4位で終えた。堂々たるパフォーマンスに渡辺監督は「予想外だった。どんどん国際大会にも出ていって、成績も上がってきた。すごいなと思いながら見ていた」と目を丸くした。

 そんな張本について、日本卓球界初のプロ選手で五輪4大会連続出場の松下浩二氏は「やっぱり実力はあるし、これからさらに伸びると思う。まだ体ができ上がっていないので、そこまで速いボールは打てていないが、バックハンドのタイミングや、コースへの打ち分けはやっぱりすごい。他の選手よりも技術的なレベルはものすごく高い」と太鼓判を押している。

 古参の卓球関係者からは「私だったら張本選手を選ぶかな。国際大会での成績も優れているし、中国選手にも結果を残している。経験値は伊藤選手の方が豊富だが、対中国を考えた時に、若いから選ぶとかそういうのではなく、張本選手の方が実力的に勝っていると思う」との声も上がるなど〝張本派〟の意見も少なくない。

 運命の代表発表は2月5日。最後のチャンスでアピールに成功した張本は「私がどうこうできる問題ではないが、もちろん出たい気持ちはある。待つしかないと思う」と冷静にコメント。果たして最後のチケットはどちらの手に渡るのだろうか。