これぞ制御不能男の真骨頂だ! 新日本プロレスの年間最大興行「レッスルキングダム18」(4日、東京ドーム)で行われたIWGP世界ヘビー級選手権は、内藤哲也(41)が王者のSANADA(35)を破り第8代王者に輝いた。同王座初戴冠を果たし、悲願の東京ドームでの「デ・ハ・ポン!」大合唱も完遂。持ち前の制御不能節も完全復活した。さっそく昨年12月23日付で団体の新社長に就任した棚橋弘至(47)に〝引退勧告〟を突きつけると同時に、引退試合の相手にも立候補した。
昨夏のG1クライマックス覇者として臨んだかつての盟友との頂上決戦は、壮絶な死闘となった。SANADAのシャイニングウィザードを浴びて窮地に陥った内藤だが、おきて破りのデッドフォールで逆転。最後はデスティーノで25分42秒の激闘に終止符を打った。
試合後はSANADAの助けもあってEVILの妨害を退け、4年前の東京ドーム大会でかなわなかった「デ・ハ・ポン!」大合唱パフォーマンスで大団円。真骨頂を見せつけた内藤にとって、ドームでの大合唱は一つの通過点でしかない。
「まだまだ俺にはやりたいことがありますよ。今日大合唱したら、内藤は終わってしまうんじゃないか? そんなの余計なお世話だぜ、カブロン」と言い放ち、こよなく愛する広島カープの本拠地・マツダスタジアムを含むゆかりのある全国各地の会場での大合唱という新しい目標を掲げた。
2021年1月以来、3年ぶりに団体最高峰王者となり、持ち前の制御不能な言動も完全復活だ。大会後に取材に応じ、昨年12月に誕生した棚橋新社長について初めて言及。「まさか本当に『棚橋の言うことは絶対』の会社になるとはね…」と過去の自身の皮肉めいた発言を掘り起こした。
そんな内藤が問題視するのは藤波辰爾以来、団体では19年半ぶりの選手兼社長を務めている点だ。棚橋はこの日の大会でNJPW WORLD認定TV王座を奪取し「トップを目指す限り、まだまだ棚橋に引退はないから」と宣言したが、制御不能男の評価は手厳しい。
「どちらかに専念した方がいいんじゃないかと。レスラーとしても今、厳しい状況ですからね。それを諦めたから社長になったのか…でも、そんな軽い気持ちで務まるんですかって。リングでまた返り咲きたい気持ちがあるなら、社長をやってる場合じゃないでしょ。社長を一生懸命やりたいならリングは諦めたら?」と、社長業に専念するべく〝引退勧告〟を突きつける。
しかも、介錯人を務める覚悟もあるという。昨年2月には武藤敬司引退試合の相手を務めた経験がある。「絶対にやりたいってわけではないけど、やりたい気持ちはありますね。俺は武藤敬司にあこがれてプロレスを見始めて、棚橋弘至にあこがれて新日本プロレスのレスラーになったわけですから。もしも2人のあこがれのレスラーの引退試合の相手を務めることになったとしたら、それはすごいデスティーノなのかなって思いますし」
1999年10月10日、棚橋のデビュー戦を後楽園ホールの観客席から見つめていた内藤が最後の相手を務めることになれば、まさに運命的だ。
満身創痍の戦いを続け、ついに悲願を達成したがその野望はとめどない。制御不能なカリスマは、これからもプロレス界不動の主役として君臨する。












