「ロペスの悲劇」の払拭なるか――。巨人は26日に前阪神のカイル・ケラー投手(30)の獲得を発表。推定年俸1億2000万円プラス出来高の単年契約で背番号は「33」に決まった。

 193センチの速球派右腕は虎での2年間で61試合に登板。今季も11試合連続無失点をマークするなど27試合で防御率1・71をマークしたが、8月に「家庭の都合」で帰国するとそのまま退団となった。新天地のファンに向け、右腕は「チャンピオンシップを届けるため全力を尽くします」と力を込めた。

 虎助っ人が他球団を経由せず巨人に直接加入したのはダレル・メイ投手以来、実に24年ぶり。阿部監督は「相手に点をやらない野球」との理想を公言しており、救援陣強化は喫緊の課題となっている。

 それというのも2年連続でBクラスに沈んだ一因に、救援右腕ヨアン・ロペス投手(30)の誤算があったためだ。昨オフ、最速160キロを誇るWBCキューバ代表右腕を「補強の目玉」として3億円近い資金を積んで獲得。開幕に向けてWBCを辞退して調整したが、NPB球やマウンドになじめず、わずか3試合で二軍落ち…。しかも8月には打球を受けて左足首を骨折し、結局は8試合で防御率4・05の成績で終わった。

 リリーフエースだった中川が開幕に間に合わず、6月には守護神・大勢が故障。救援陣の苦難はチーム成績に暗い影を落とした。救援防御率3・83はリーグワーストとなったが、そもそものつまずきの始まりはロペスだった。

 球団内からは「ロペスは性格もまじめで練習熱心。それでも環境が変わることで、これまでの力を出せなくなる。ボールの違いも含めて日本で初めて投げる投手のリスクはやはり大きい。何年間か日本でプレーしている選手のほうが計算できる」との声も出ていた。

 もちろん結果を残した助っ人は契約が延長されるため、なかなか市場には出てこない。さらに争奪戦を制する必要もあるが、獲得の苦労に見合うだけのリターンは見込めそうだ。