「サイ・ヤング賞」も夢ではない。「NPB AWARDS 2023」が28日に都内で開催され、オリックスの山本由伸投手(25)が3年連続でパ・リーグのMVPに輝いた。ポスティングシステムでMLB挑戦を目指し、今後はメジャー球団との交渉も本格化する。そうした中、米メディアなどで指摘されているのが178センチ、79キロという体のサイズだ。メジャー投手として小柄なことに〝不安説〟も流れるが、メジャー関係者からは山本とあるレジェンド右腕をダブらせる声も上がっている。

 黄金エースがまた一つ、大きな勲章を手にした。3年連続のMVPは両リーグ合わせても山田久志(阪急=1976~78年)、イチロー(オリックス=94~96年)に並ぶ3人目の快挙。表彰式に姿を見せた山本は「偉大な大先輩に少しでも追いついていけるよう日々頑張りたい」と喜びを口にし、メジャーについては「また新しいスタートラインに立つということでもっともっとレベルアップしていかないといけない。一日一日を大切に努力を積み重ねたい」と決意を新たにした。

 イベントや表彰式への出席などで多忙な日々を送るが、海を渡る準備も進められている。代理人のジョエル・ウルフ氏によるとMLB10球団以上が関心を示しているといい、山本は近くオンラインで交渉を開始。12月上旬に行われるウインターミーティング終了後に渡米して直接面談に入り、交渉期間の来年1月4日(日本時間5日)まで慎重に見極めていくことになる。

 そんな山本にささやかれているのが、体のサイズによる〝不安説〟だ。米メディアでは178センチ、79キロとメジャー先発投手の中では最も小柄な部類に入ることを指摘されており、オリックス関係者も「角度や球威的に背の高い投手のほうが有利なのはある。試合数(162試合)も先発だと30試合以上は投げないといけないし、移動も含めてスタミナ的な不安もあるかもしれない」と打ち明ける。

 球速や精度は絶品でも長身ぞろいのメジャー投手と比べると見劣りする感は否めず、ここ数年のシーズン終盤の失速からコンディション面での心配もあるという。

 しかし、あるメジャー関係者は「彼はリンスカムのようになれる」と太鼓判を押す。ジャイアンツ、エンゼルスに在籍した右腕ティム・リンスカムは身長180センチながら160キロ近い速球とカーブ、フォーク、スライダー、チェンジアップと多彩な変化球を自在に操り、2008年から2年連続で「サイ・ヤング賞」を受賞。また、同年から3年連続で最多奪三振、同じく7年連続で2桁勝利をマークし、山本と同様に2度のノーヒットノーランを達成している。

「リンスカムは公称180センチだけど、本当はもっと小さかったと思う。フォームも全身を使って強くしならせて投げ、タイプ的に山本にとても似ている。全盛期は長くはなかったけど、小さくても結果を出せることを証明したすごい投手だし、山本がこれからやる上で彼が大きな参考になるはず」とみている。

 世界のトップに君臨したリンスカムに続き、山本も並みいる大柄な投手に負けないことを証明してもらいたい。