新日本プロレス20日の後楽園大会で「ワールドタッグリーグ」が開幕。Aブロック公式戦で「ハウス・オブ・トーチャー(H.O.T)」のEVIL、高橋裕二郎(42)組が石井智宏(47)、矢野通(45)組を下し白星発進した。EVILはリーグ戦制覇後の青写真として、来年1月4日東京ドーム大会のメイン強奪を予告。その根拠となるのが、17年前の東京ドーム大会で大トリを飾った〝ドリームマッチ〟だ。

 徹頭徹尾悪かった。セコンドのディック東郷をたびたび介入させたH.O.Tは、窮地に陥るとSHOと金丸義信も投入。最後は金丸のウイスキーミストアシストから、EVIL(変型大外刈り)で矢野を沈めた。

 早くも優勝を確信するEVILは「あんなドサンピンの雑魚レスラー相手にタッグリーグ優勝すんのは当たり前なんだよ。それからよ、東京ドームのメインイベントは俺らのもんだ」と、何と年間最大興行のメインを乗っ取る計画を明かした。

Aブロック公式戦、「H.O.T」は余裕の白星発進
Aブロック公式戦、「H.O.T」は余裕の白星発進

 これまでも幾度となく理不尽要求を繰り返してきたが、さすがに今回は無理筋だ。そもそも同大会のメインはすでにIWGP世界ヘビー級王座戦(王者SANADAvs内藤哲也)と発表されているからだ。

 しかし、本紙の取材に「何だ、そのクソカードは? あんな腐ったヤツらがドームのメインなんてやったら、会社潰れるわ。俺の会社、潰す気か」とバッサリ。変更を求める姿勢を見せた。

 さらには「百歩譲って、他の試合が名目のみメインやダブルメインを名乗ることは許してやってもいい。お前らは井の中の蛙みたいな活動してるんだから、小さい争いでもしてろよ。だが、そもそもドームの大トリは〝スーパードリームタッグ〟が務めるべきなんだよ。俺たちがレッスルキングダムをあるべき姿に正してやるから感謝しろよ」と身勝手に主張。これは1・4ドームが初めて「レッスルキングダム」の呼称で行われた2007年大会のことを指している。

 同大会は全日本プロレスとの創立35周年記念大会として行われ、両団体の最高峰王座であるIWGPヘビー級王座戦と3冠ヘビー級王座戦がダブルメインイベントに据えられた。

 しかし、真の大トリは「スーパードリームタッグマッチ」と銘打たれた武藤敬司&蝶野正洋vs天山広吉&小島聡だった。EVILはこれを来年の1・4で復活させようというのだ。

「俺たちが優勝すれば、毘沙門(後藤洋央紀&YOSHI―HASHI)がはく奪されるはずのIWGPタッグ王座も譲渡されることになるだろうし、問題は対戦相手だな。新日本は俺と裕二郎というスーパードリームタッグにふさわしいタッグチームを用意しておけよ」

 どこまでも理不尽な野望とともに、H.O.Tが頂点へ突き進む。