DDT12日の両国国技館大会で、赤井沙希(36)が約10年間のプロレスラー人生に終止符を打った。
元プロボクサーで俳優の赤井英和を父に持ち、タレントとして活動していた2013年8月にプロレスデビュー。翌年には東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞で女子選手として初の新人賞を獲得した赤井は今年5月、活動10周年の節目での引退を発表した。
デビュー戦の地・両国国技館で迎えたラストマッチでは、坂口征夫、岡谷英樹とのトリオで丸藤正道(ノア)、樋口和貞、山下実優(東京女子)組と対戦した。
初対決となった丸藤の強烈なチョップを何発も浴びながらも、会場の大声援を受けて立ち上がる。山下の蹴り、樋口のボディーブローと怒とうの猛攻に対し、飛び付き式のフランケンシュタイナーで反撃に転じた。
15分過ぎに山下に必殺のケツァル・コアトル(変型ラ・マヒストラル)を決めたが、樋口にカットされ3カウントは奪えない。両軍入り乱れての攻防から孤立してしまうと、丸藤のフックキックから樋口のヘッドバット、山下のアティテュード・アジャストメントと怒とうの猛攻にさらされる。
さらに山下の必殺技クラッシュ・ラビットヒート(変型ジャンピングニー)まで浴びてしまった赤井は、これをキックアウトして驚異の執念を見せつける。しかし最後はフラフラになりながら立ち上がったところを、スカルキック(後頭部へのバックスピンキック)で打ちぬかれ壮絶に散った。
試合後の引退セレモニーでは、真壁刀義、棚橋弘至、天龍源一郎、そしてサプライズでファン時代の赤井が最も憧れた現WWEのスーパースター・中邑真輔から労いのメッセージVTRが届いた。さらに高木三四郎社長からは引退後も裏方としてDDTで活躍してほしいという打診も受けた。これを赤井も「自分でよければ今度はみんなを輝かせる側に回らせてください」と快諾し、今後もプロレス界の一員となることが決定した。
最後に赤井はファンに手紙を用意。「18歳で上京して、いつも独りぼっちでした。本音で言い合える、本気でぶつかり合える仲間はいませんでした。けど、10年前、このチームの一員になって、皆さんと出会って、楽しかったり、むかついたり、喜んだり、一緒に涙したり、否応なしに感情が動かされるプロレス生活を送っていくなかで、自分が一番欲しかったけど、諦めていたものを気付いたら手にしていました。どこかドライな私が、自分を犠牲にしてでも守りたいと思える仲間、それがDDTのみんな、いま見守ってくれるファンの皆さんです。本当の愛情を知りました」と、団体の仲間とファンに感謝を伝えた。
さらに赤井は「私はDDTを、ファンのみんなを、いつしか仲間という思いを超え、家族と思うようになりました。皆さんが私にとっての家族なんです。このリングを降りたら、私は選手でなくなります。でも家族の絆はどこで何をしていても切れることはありません。いつどんな時も、家族であるDDT、そしてファンのみんなのことを思い続けて生きていきます。これからも一緒にいましょう」とメッセージ。「プロレスラー・赤井沙希10年間、本当に夢のような幸せな人生でした。皆さん、心から愛してます。本当にありがとうございました!」と読み上げ、引退の10カウントゴングを聞いた。「強く、気高く、美しく」というキャッチコピーにふさわしく、最後まで華々しいレスラー像を貫き、赤井はリングを降りた。













